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5分でわかる:『偽装離婚』という犯罪のアイキャッチ

5分でわかる:『偽装離婚』という犯罪

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 『偽装離婚』とは、一緒に暮らすことや精神的な繋がりがある等、事実上の夫婦であるにも関わらず、離婚届を提出して正式に離婚し、あたかも離婚しているかのように振る舞い、周囲の人を欺く行為を指します。

偽装離婚をする理由

 ではなぜ、そのような偽装離婚をしようとするのでしょうか。理由としては、
・生活保護を不正受給したい
・借金逃れをしたい
・保育園に優先的に入りたい
が挙げられます。

濫用される偽装離婚

 例えば生活保護は、本当に困った人を援助するためのシステムです。事故や病気で働けなくなった人、お年寄りで仕事にも就けず身寄りもない人、障害を持っている人、突如配偶者が亡くなり収入が途絶えた人……。
 そのように苦しむ人を、社会が援助するのが福祉です。

偽装離婚で社会制度を悪用

 偽装離婚をする夫婦の主な目的は、経済的な利益を受けるためだけです。「生活保護」「児童扶養手当」「財産隠し」等、何かしらの不当な利益が絡みます。
また、日本は民法上、離婚手続きが安易だという点も、偽装離婚に拍車をかけています。
 

偽装離婚数の推移

 総務省が平成28年に発表したデータによると、生活保護の件数は毎年増加しており、平成14年から平成23年までの約10年間で、受給者数は1.7倍、不正受給の件数は分かっているだけで4.3倍増の35,568件(173億円)と、過去最多になっています。

不正受給の件数

平成14年 8,204
平成15年 9,264
平成16年 10,911
平成17年 12,535
平成18年 14,669
平成19年 15,979
平成20年 18,623
平成21年 19,726
平成22年 25,355
平成23年 35,568

生活保護に関する実態調査結果報告書(外務省)

お札と電卓

偽装離婚の例

ではここで、上でも触れた
・生活保護を不正受給したい
・借金逃れをしたい
・保育園に優先的に入りたい
の例を見ていきましょう。

生活保護の不正受給

 A夫婦は共に30代で、子どもが2人います。夫の稼ぎは芳しくなく、毎月ギリギリの生活でした。すると妻が、「表面的に離婚して、シングルマザーとして生活保護を受ける」と思いつきました。
 役所で離婚と生活保護の手続を終えると、毎月20万円が受給されることになりました。毎月自動的に振り込まれるお金のお陰で、一家の暮らしは豊かになりました。

借金逃れ

 多額の借金を背負ったBは偽装離婚をしました。理由は、家や土地を守るためです。
Bは資産を差し押さえられる前に、自分名義の土地家屋を「離婚による財産分与」として妻に渡し、預貯金もすべて「慰謝料」として妻に渡しました。
現在B家族は、何事もなかったかのようにそこで生活を続けています。

保育園が優先

 出産&育児休暇を過ごしているCは、会社復帰するために保育園を周りましたが、どこも定員いっぱいでした。
 かといって高額な無認可保育園に入れるのも…と渋っていたところ、シングルマザーは保育園に優先的に入れると聞き、すぐに夫と離婚届を提出しました。
 今は堂々と子どもを預けて、Cは職場へと戻っています。

罰則

 虚偽の離婚と不正受給が明らかになると、公正証書原本不実記載等の罪に問われます。つまり、公務員に対して嘘の申立をし、登記簿や戸籍などに権利、もしくは義務に関する公正証書の原本不実の記載として5年以下の懲役また50万円以下の罰金となります。

終わりに

 偽装離婚は、犯罪です。偽装離婚が判明すると、不正受給の返金を命じられたり、提訴されたりします。
 偽装離婚が明るみになって弁護士を雇うということになったら、目も当てられません。正攻法で暮らし、どうしても困窮した場合は、生活保護を見据えた相談を弁護士にしましょう。

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