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不貞行為とは、気になる証拠や時効についても

2018年11月06日 公開
不貞行為とは、気になる証拠や時効についてものアイキャッチ

借金やDVなどと並んで離婚原因の上位を占めるのが不貞行為です。
配偶者が不貞行為を行っていることを知ると、その瞬間から配偶者への不信感や不貞行為の相手への嫌悪感に悩まされ、大きな精神的苦痛を受けることになります。

つい感情的に対応してしまいがちですが、不貞行為をされたことがきっかけで離婚を考えるなら、より有利に話をすすめるためにも冷静に対応したいもの。
そこでこの記事では、離婚交渉を有利に進めるために把握しておきたい不貞行為の基準や時効、証拠となるものについて紹介します。

不貞行為とは

 婚姻届を役所に提出し法的に婚姻関係となっている夫婦や、将来的な婚姻を前提として婚約している男女、婚姻関係ではないものの同じ家で生活し互いの扶養を担っている内縁関係の男女において、そのどちらかが配偶者や婚約者、内縁の相手以外の異性と肉体関係を持つことを不貞行為と言います。
自分の意思で性交渉をした場合はもちろん、自分から行動したわけではないが相手に誘われた結果性交渉に応じた場合でも不貞行為となります。

 

不貞行為を行った夫・妻に対してできることとは

配偶者や婚約者、内縁関係の相手に不貞行為をされた場合、その相手に対してできることは「離婚の請求」と「慰謝料の請求」という2つの行為です。

 
離婚の請求は、婚姻関係となっている夫婦の場合に適用されます。
婚姻を前提として婚約している場合は、婚約破棄の請求ができます。
不貞行為は離婚や婚約破棄の訴えを提起できる理由のひとつと法律で定められているため、不貞行為をされた側からした側に対して、離婚や婚約破棄を求めることができるのです。

もし、不貞行為を行った側が離婚や婚約破棄を請求されて拒否したら、家庭裁判所に離婚についての調停の申立てや裁判の提訴が可能です。
内縁関係の場合はもともと婚姻関係にはないため、離婚を請求する権利はありません。
当事者同士で話し合い、内縁関係を破棄する場合は同居を解消することになります。

慰謝料の請求は、夫婦はもちろん婚約中や内縁関係であってもできます。
不貞行為を行った配偶者や婚約者、内縁の相手に加えて不貞行為の相手に対しても請求するケースは多いです。

不貞行為の基準とは

初めに不貞行為についての一般的な定義を紹介しましたが、実際にはどういった行動が不貞行為とみなされるのでしょうか。
法的には不貞行為とは配偶者や内縁の相手以外の異性と肉体関係を持つとされていますから、肉体関係がなければ不貞行為とはみなされないという説も根強いです。

たとえば配偶者や内縁の相手が異性と二人きりで食事をしただけなら、一般的に不貞行為とは言えません。
異性であっても友人や知人、仕事相手として食事をしただけであり、肉体関係を持っていないからです。
肉体関係を持っていないという理由から考えると、手をつなぐ、体を触る、キスをするといった行為も不貞行為とはみなされない可能性が高いでしょう。

たとえ互いが好意を持ち異性として本気で思い合っていたとしても、性交渉に及んでいない以上は不貞行為ではないというのが法的な解釈です。
ただし、肉体関係そのものはなくてもそれに近い行為を行っていた場合は、不貞行為とみなされる可能性があります。
口や手を使って性交渉に近い行為を行い射精を伴うような関係であれば、肉体関係に限りなく近い行為として不貞行為を行ったと判断されるケースが見受けられます。

不貞行為の時効とは

配偶者や内縁の相手に不貞行為をされたことが分かると、離婚や内縁関係の解消、慰謝料の支払いを求めることができるのは先ほども紹介しました。
こうした請求について実は時効があるということはあまり知られていません。

不貞行為に対する慰謝料の請求の時効は、次の2つのうちどちらか短いほうが有効となります。

・最初の不貞行為があった時から20年
・不貞行為を行ったことを知ってから3年

つまり不貞行為に対する慰謝料請求の時効は、最短で3年、最長で20年ということです。

不貞行為をされていると知ってから一人で悩み続けた結果、事項である3年が間近に迫ってきてしまったといったケースは少なくありません。

そういった場合は、家庭裁判所に慰謝料請求の調停や訴訟の申立てを行うと、時効としてカウントされてきた期間が消滅して申し立て時からのカウントとなります。
本人同士で話し合いが済んでいるものの慰謝料が支払われない場合は、慰謝料の支払いの督促を申し立てると同じように時効が申立て時からカウントし直されます。

調停や訴訟の申立ての準備を行う時間の余裕がないという場合は、催告という方法で時効を一時停止させるのもひとつの方法です。
催告とは、不貞行為を行った相手に対して内容証明郵便を使って慰謝料を請求する方法をさします。

内容証明郵便は送った期日や内容、相手先を郵便局が証明してくれます。
内容証明郵便を使って慰謝料を請求した後、6ヶ月以内に調停や訴訟を家庭裁判所に申し立てれば、時効のカウントがリセットされます。

不貞行為の証拠になるものは

不貞行為に対する慰謝料を請求する際には、相手が不貞行為を行っていたという証拠を請求する側が提示しなければなりません。
不貞行為があったことを明確に示すものや限りなくにおわせるものだと、より強い証拠となります。

 

・写真や映像

配偶者や内縁の相手が不貞行為を行う相手とラブホテルに出入りしているところを撮影した写真や映像は、不貞行為があることを強く疑わせる証拠です。
ビジネスホテルや不貞行為を行っている二人のどちらかの自宅や会社などを出入りしている写真や映像では、不貞行為を行っているとは言いがたいため証拠能力としては弱いでしょう。

・音声

配偶者や内縁の相手、不貞行為を行った相手が不貞行為を認めた発言を録音したものも有効です。
編集した疑いをもたれないようテープレコーダーで録音するのがおすすめです。

・メールや通信アプリでのやりとり

不貞行為があったと明らかに分かるやりとりの記録も証拠として有効です。
やりとりをしている画面を撮影したり、紙に印刷したものを準備しておくといいでしょう。

・手紙やメモ、日記

不貞行為を示唆する内容の手紙やメモ、日記なども証拠になります。
名前が入っていればより有効ですが、入っていなくてもその記述を配偶者や内縁の相手がしたと筆跡などから分かれば問題ありません。

・友人や知人の証言

不貞行為を行っていることを本人から聞かされたり、ラブホテルの出入りを見かけたりした友人や知人の証言は証拠となりえます。

・領収書関係

ラブホテルの利用料金やその移動に使った交通費などの領収書、クレジットカードの利用明細も、場合によっては証拠となることがあります。
こうした証拠は、慰謝料請求の話し合いや調停・訴訟において優位に立てる資料です。
特に不貞行為を頑なに否定された場合には客観的な判断材料となります。
 

まとめ

不貞行為をされた側からすると、怒りや失望といったさまざまな感情があふれて冷静ではいられないことも多いものです。
精神的苦痛を受けたことに対する慰謝料請求は当然の権利ですが、より確実に、そして多くの慰謝料を受け取るためには事前にしっかりと準備することが大切です。

この記事を参考に、不貞行為をされた際の慰謝料請求を上手に進めていくことをおすすめします。

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