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離婚裁判における口頭尋問の4っのポイント

2018年11月20日 公開
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話し合いでは離婚が決まらず、離婚調停をしてもまとまらない場合に行うのが離婚裁判です。

夫か妻のどちらかは離婚したいけれど、もう一方は離婚したくないというケースにおいて、離婚するための最終手段でもあります。

離婚裁判は離婚調停以上に長期化する上に、話し合いや離婚調停とは違ってまさに争いの場。

互いに自分の意見を主張しながら、相手の主張を否定し合うわけですから、精神的にはかなりのストレスを抱えることになります。

特に夫と妻が同じ法廷に立って受ける口頭尋問は、裁判の行方を左右する大切な段階のひとつですから、勝訴するためのコツを押さえておく必要があるでしょう。

この記事では、離婚裁判の流れを簡単に解説した上で、口頭尋問の重要なポイントを4つ紹介していきます。

離婚裁判の流れとは

 離婚裁判は、話し合いや調停でも離婚に至らない場合に裁判での判決によって離婚を求めることを目的に行われます。

 離婚件数全体の約1%は、この離婚裁判によって離婚します。

離婚裁判においては、提訴した側を原告、提訴された側を被告と呼びます。

日本ではいきなり離婚裁判を起こすことはできませんので、離婚調停をまず行い、不成立になった場合に提訴します。

離婚裁判は、原告側が家庭裁判所に訴状を提出するところからスタートします。

 原告または被告が住んでいる住所地の管轄の家庭裁判所へ訴状を提出します。

家庭裁判所が法的に離婚事由とされる内容かどうかを検討し提訴を認めると、提訴からおおよそ1ヶ月程度で第一回の口頭弁論期日が指定されます。

被告へは、呼出状と訴状の副本が家庭裁判所から自宅に郵送されるため、訴状の内容を見て反論がある場合は、第一回の口頭弁論期日までに答弁書を家庭裁判所に提出します。

第一回口頭弁論当日は、原告本人と被告本人、またはそれぞれの代理人が出廷します。

まず裁判官は、争点の整理を行い、原告と被告双方から提出された証拠を確認しますので、1時間前後で終了します。

第二回からの口頭弁論も進行内容は第一回と同様で、原告および被告双方から提出された証拠をもとに、どちらの主張が正しいのかを裁判官が判断します。

口頭弁論の開催頻度は平均1ヶ月~1ヶ月半に1回です。

原告が訴状を取り下げなければ口頭弁論が複数回重ねられ、和解もしくは判決での離婚に相当する事例かを検討して、裁判官が結論を出すまで続けられます。

 

口頭尋問のポイント1「弁護士と打ち合わせてシミュレーションをする」

 離婚裁判が大詰めの段階に入るあたりで行われるのが口頭尋問です。

口頭尋問とは、口頭弁論で行った主張の整理や証拠の内容確認が終わった後に、それぞれが異なる主張をしている原告と被告に対して、食い違っている部分に対して弁護士が質問をするものです。

本人尋問は、原告に対してまず原告側の弁護士が行います。

次に被告側の弁護士が原告に対して質問を行い、最後に裁判官が質問することもあります。

次に、被告に対しても同様に質問が行われます。

口頭尋問で有利な立場に立つには、弁護士から投げかけられる質問にどう答えるのかを事前にしっかりと打ち合わせておく必要があります。

自分の弁護士がどんな質問をしてどう答えるのか、また相手の弁護士がどんな質問をしてくる可能性があるのかを予測してどう答えるのか、それぞれの回答内容を担当弁護士と一緒にシミュレーションします。

この打ち合わせやシミュレーションの目的は2つあります。

1つは自分の主張をいかに補強するかについて、もう1つは相手の主張をいかに崩すかについてより効果的な回答を考えるのが目的です。

質問されたことに対して単に回答するというのではなく、こうした目的を持って回答する姿勢を意識しておく必要があるでしょう。

口頭尋問のポイント2「嘘をつかずに、言われたことだけに答える」

相手の主張との食い違いが大きいほど、自分の主張が正しいことを強くアピールしたいという気持ちになるのは自然なことです。

しかし離婚裁判においては、弁護士や裁判官から聞かれていないことまで話すのは基本的にNGで、裁判官に与える印象が大きく下がります。

口頭尋問を受けている時は、聞かれている質問に対してのみ回答することを徹底しましょう。

自分の弁護士とは行う質問とその回答について事前にシミュレーションしていますから安心ですが、相手の弁護士が何を聞いてくるかは分かりません。

あえてプライドを傷つけるような質問を投げかけて冷静さを奪い、ミスを誘発させようとするかもしれません。

非常に精神的に厳しい場面になるかもしれませんが、そういった挑発には乗らずに落ち着いて聞かれたことだけを簡潔に答えるよう努めましょう。

また、口頭尋問においてはうそをつかず正直に答えるというのも鉄則です。

離婚裁判は民事裁判で、あいまいな部分が多いということもあり、少しでも有利な展開にしたいという考えから嘘をついてしまうというケースが少なくありません。

しかし離婚裁判が進んでいくうちに、その嘘によって主張や証拠に矛盾が生じる可能性はあります。

もしそうなった時は不利な状況になるだけでなく、口頭尋問前に署名捺印した「真実のみを話す」という誓約書の内容を破ったことになり、法的な制裁を受けるかもしれません。

いずれにせよ嘘をつけば取返しのつかない事態になりかねないわけですから、正直に真実のみを話すようにしましょう。

口頭尋問のポイント3「自分が不利になるような発言はしない」

口頭尋問では嘘をつかず真実だけを話す、このことを意識するのはとても大切なことなのですが、意識しすぎるあまりポロっと言わなくてもいいことを答えてしまうという場合があります。

自分の弁護士とは事前にシミュレーションしているからいいとしても、相手の弁護士からはどういった質問がくるか当日まで分かりません。

弁護士は交渉のプロですから、巧みな質問を投げかけて失言させるといった駆け引きを仕掛けてくることは少なくないのです。

答えた後に「こう答えたら不利かもしれない」と思ってもあとの祭りです。

こうしたことにならないよう、相手の弁護士からの質問をよく聞いて、勢いで回答しないようにしましょう。

聞かれて困るような質問がきたら、「もう一度お願いします」などとひとまず答えて、考えをまとめる時間をかせぐのもいいでしょう。

この答えが自分にとって不利にならないかしっかり考えながら、ゆっくり落ち着いて答えるようにしましょう。

口頭尋問のポイント4「できるだけ冷静でいること」

相手の弁護士は、自分の依頼人ができる限り有利になるよう、工夫して質問を投げかけてきます。

戦略として、わざと貶めるような言葉を選んだり、怒りで興奮させるようなフレーズを使って質問を行い、冷静さを失って失言をしてしまうように仕向けることは珍しくありません。

もし相手の弁護士の質問の仕方がとても乱暴で失礼だったとしたら、これも戦略なのだと冷静にとらえ、落ち着いて必要最低限のことだけ答えることを意識するといいでしょう。

また、口頭尋問という場に緊張してしまって早口になってしまったり、声が小さくて裁判官に何度も聞き直されてしまうといった状況も避けたいもの。

口頭尋問の答えは相手の弁護士ではなく、判決を下す裁判官に行うものなのですから、裁判官の目を見て大きな声で回答しましょう。

まとめ

本人同士の話し合いから離婚調停に進み、さらに離婚裁判にまで発展するというのは、長期間強いストレスにさらされる過酷な状況です。

中でも、普通なら入ることすらない家庭裁判所の法廷に立って質問を受ける口頭尋問はストレスのピークだと言えるでしょう。

しかし口頭尋問まで進んできたということは、離婚裁判が最終段階に入っているということの証しでもあります。

あとひと踏ん張りですから、ここまで努力してきた流れを無駄にしないよう、慎重な姿勢で口頭尋問に臨むことをおすすめします。

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