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離婚時に慰謝料を請求された場合に減額する方法がある?

更新日:2019年03月19日
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 配偶者と離婚することになり、慰謝料を請求された。
 自分は本当に慰謝料を支払わなければならないのか?回避する方法や減額する方法はないのだろうか…?
 ここで慰謝料を請求されたら確認すべき点や、回避・減額の方法についてチェックしておきましょう。

慰謝料を請求されるケースとは

 ●慰謝料とは
  まず慰謝料とは何かというと、相手方の違法行為によって受けた精神的被害の補填の為に、その相手方に請求する損害賠償金のことを言います。
  離婚の際に請求する慰謝料も同様に、配偶者の違法行為があった場合に請求することができます。具体的には次のようなケースが挙げられます。

 ●慰謝料請求されるケース
 

不貞行為をした場合

   浮気や不倫といった不貞行為によって離婚することになった場合は不貞行為をした側に責任があると考えられる為、慰謝料が発生します。

 

DV(家庭内暴力)があった場合

   配偶者に暴力をふるっていた場合も慰謝料が発生します。
   慰謝料の金額は約50~500万円と差があります。受けた暴力の頻度や程度によって異なります。

 

モラルハラスメントがあった場合

   いわゆるモラハラで、配偶者に精神的暴力をふるっていた場合です。
   例えば「お前はクズだ」「自分がいなければなにもできない」などと貶める、無視をするといったことを日常的に行っている、行動記録をとらせるなど精神的な嫌がらせを行っている場合はモラハラに当てはまります。
   モラハラもDV同様、モラハラの程度や期間によって慰謝料の金額が異なります。

悪意の遺棄

   悪意の遺棄とは、配偶者を残して理由も無く突然別居する・同居を拒むなど夫婦の同居義務を果たさなくなる、専業主婦(夫)の配偶者に生活費を渡さないなど扶養義務を果たさなくなるなど、要は配偶者を見捨てることをいいます。
   悪意の遺棄があった場合も慰謝料が発生します。

慰謝料を減額してもらうことはできるのか?

 では慰謝料が発生するケースに当てはまってしまった場合、請求された額を完全に支払わなければならないのでしょうか?
 慰謝料が発生した場合、ひとまず次のことを確認してみてください。
  ①慰謝料を支払う義務があるのかどうか
  ②慰謝料の相場はいくらなのか
 これらの内容によっては減額交渉をすることができる可能性があります。
 一つずつみていきましょう。

 ①慰謝料を支払う義務があるのかどうか
  法律上、慰謝料を支払う義務があるのかどうかをまず確認します。
  離婚をする際の慰謝料は、先述したとおり不貞行為やDVなどの有責行為があった場合に支払うことになります。その有責行為が原因で離婚をすることになった場合に慰謝料を支払うことになる、というわけです。
  そのため、慰謝料を請求された原因が例えば“女性と食事に行っていただけ”“たった一回頬を叩かれた”といった程度であれば、慰謝料を支払う義務はないと考えられます。

  また、慰謝料の請求をするためには、慰謝料を請求する側が有責行為の証明をしなければなりません。つまり、証拠が無ければ慰謝料を請求されても拒否することができるということになります。
  しかしこれには注意が必要で、相手側も駆け引きをしている可能性があり、実際には証拠を持っていても隠していることが考えられます。
  そのため、実際は慰謝料を支払う義務があるにも関わらず、相手が証拠を持っていなさそうだと安心してウソをついた場合は、後々不利になることがあります。

  ちなみに裁判では離婚する当事者や証人の発言も証拠となりますので、物的証拠が無い場合も有責行為が認められる可能性があります。

 ②慰謝料の相場はいくらなのか
  慰謝料にも相場がありますので、あまりにも相場とかけ離れている場合などは減額の交渉ができる可能性があります。
  離婚をする際の慰謝料は、よほどの場合でない限り300万円以下であることが多く、ケースによりますが相場は200万円程度だそうです。

  慰謝料を算定する要素としては次のものが挙げられます。
   ・婚姻期間
   ・有責行為の有無や態様(期間・頻度・回数等)
   ・有責の割合(※)
   ・年齢
   ・資力
   ・子供(未成年)の有無
  これらの要素や似たような事案を参考にして慰謝料額が決まります。
  ※有責の割合とは、例えば一方がDVをしていたがもう一方が浮気をしていた場合など、双方が有責行為をしていた場合に考慮される割合のことです。

先述したようにDVだと慰謝料は50~500万円が相場となりますが、この金額に大きな差があるのは算定要素を考慮して金額が決まるから、というわけです。そのため“DVをしていた場合の慰謝料の相場は200万円”などと決まっているわけではないということになります。

●慰謝料を減額する交渉方法とは?
 では、実際に減額してもらえそうな場合はどのように交渉すればよいのかチェックしておきましょう。

相場の金額まで減額するよう交渉する

  具体的な相場は弁護士などに確認すると、おおよそ正確な金額を把握することができると思われます。
  把握した相場の金額よりも多く請求されている場合は、相場の金額を提示して減額してもらうよう交渉します。

算定要素から交渉する

  先ほど挙げた算定要素の中に、自分が有利になる要素があれば、その要素を主張して減額交渉をします。例えばDVを原因として慰謝料を請求されたが、相手側も不貞行為をしていた場合などは、相手側の不貞行為を理由に減額交渉を行います。

離婚協議書に謝罪文を入れる

  相手側が慰謝料よりも謝罪を重く考えている場合は、離婚協議書に謝罪文を入れることを条件に減額交渉ができる可能性があります。

また、協議離婚や調停離婚などの話し合いで慰謝料を決めるよりも、離婚裁判を起こしたほうが慰謝料を少なくすることができる可能性があります。この場合は裁判費用と慰謝料の金額を計算して、どちらが安く済むかということを考慮する必要がありますので、一度弁護士などに相談してみたほうが良いでしょう。

不貞行為で請求された慰謝料は支払わなくて良いケースがある

 不貞行為で慰謝料を請求された場合には、次の場合に慰謝料を支払う必要が無いと考えられます。
 ①肉体関係が無かった場合
  基本的に肉体関係が無ければ慰謝料を支払う義務はないとされています。
しかし判例によっては肉体関係がなくても慰謝料請求が認められたケースもありますので、あくまで“支払う可能性は少ない”といった程度で考えておいた方が良いかもしれません。

 ②相手が既婚者だと知らなかった(浮気相手に慰謝料請求があった場合)
  例えば出会い系サイトで知り合って、指輪もしておらず、独身だと言っていた相手が実は既婚者だった場合などがこれに該当します。
  しかし、「注意していれば知ることができた」という場合はこれには該当しません。例えば社内不倫をしており、浮気相手自身は相手が既婚者だと知らなかったが、他の社員は既婚者だと知っていたという場合は「注意すれば知ることができた」ということになりますので「知らなかった」ということにはならないというわけです。

 ③不貞行為を開始した時点で婚姻関係が破たんしていた
  別居生活が長いなど、夫婦生活が行われていない=破たんしていたという状態だった場合は慰謝料の支払いをせずに済む可能性があります。
  また、浮気相手も「妻との関係は終わっている」とずっと聞かされており、その言葉を信じていた場合は支払いをせずに済む可能性があります。

 ④慰謝料請求の時効が過ぎている
  慰謝料請求には時効があり、民法第724条の「損害及び加害者を知った時から3年間行使しないときは、時効によって消滅する」に該当する為、慰謝料を請求する側がこの期間内に慰謝料請求をしていなかった場合は時効消滅となるので、慰謝料請求を免れることができます。

まとめ

 有責行為を行ってしまうようになったことに原因があるとしたら、支払いは避けられないにしても少しでも減額したいものです。
 慰謝料を請求された場合は法律の専門家である弁護士に相談してみてはいかがでしょうか?

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