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熟年離婚でもできる! 慰謝料請求

2018年09月18日 公開
熟年離婚でもできる! 慰謝料請求のアイキャッチ

 熟年離婚に至る理由は夫婦によってさまざまです。

 理由の内容によっては、婚姻生活を破綻させたとして相手に慰謝料を請求することができます。
 長い期間一緒に生活してきた相手に慰謝料を請求するのは気が引けるという人も多いでしょう。

 しかし、その理由がなければ婚姻生活が続けられたのですから、物理的・精神的な負担に対する責任という意味で慰謝料を請求するのは正当な権利です。
 この記事では、熟年離婚にあたって慰謝料請求の対象になる離婚理由や請求の手順、請求時のポイントなどについて紹介します。

慰謝料請求できる場合とできない場合

 熟年離婚を含む離婚全般において、どちらかが慰謝料を受け取るというイメージがあるかもしれません。
 物理的・精神的な苦痛を受けた側が相手に請求するのが慰謝料ですが、請求すれば必ず慰謝料を受け取れるわけではありません。

 まずは、慰謝料を請求できる場合とできない場合とを把握しておきましょう。

慰謝料請求ができる場合

 慰謝料請求の対象となる理由には、不貞行為、DVやモラルハラスメントなどが該当します。

 その他、正当な理由なく家出や別居をしたり、育児放棄や生活費を入れないなどの行為をさす悪意の遺棄、セックスレスなども慰謝料請求の理由になります。

 これ以外にも、婚姻関係を継続しがたい重大な理由に該当する場合も慰謝料が請求できます。
 
 

慰謝料請求ができない場合

 先程の理由以外がきっかけで離婚に進んだ場合は、基本的に慰謝料請求は不可です。

 たとえば「一緒にいるとイライラする」「価値観が違う」といった性格の不一致による離婚では、慰謝料を請求することはできません。
 また、夫と妻のどちらにも離婚につながる原因がある場合も、精神的苦痛を一方的に受けて婚姻関係を破綻させられたとは言えず、慰謝料の請求は難しいと言えるでしょう。

熟年離婚の慰謝料の相場

 精神的苦痛を受けた側の立場で、慰謝料請求をしたいという場合、どれくらいの慰謝料がもらえるのかは気になるポイントです。

 熟年離婚における慰謝料の金額の相場を事前につかんでおけば、交渉もしやすくなりますから、相場について知っておきましょう。
 不倫や浮気などのいわゆる不貞行為は100~250万円、DVやモラルハラスメントは50~100万円、悪意の遺棄は50~250万円、セックスレスは80万円前後が相場と言われています。

 離婚のきっかけとなった理由の程度や相手の支払い能力によって、金額は上下しますので、あくまでも参考金額として把握しておくといいでしょう。
 

慰謝料請求のポイント

 慰謝料が請求できる理由で離婚となった場合、重要なのは受け取れる慰謝料をできる限り増額させられるかどうかという点です。

 熟年離婚は婚姻生活が長いだけに我慢している期間も長くなりがちですから、慰謝料はなるべく多くもらいたいというのが受け取る側の本音でしょう。
 慰謝料が相場よりも低くなってしまうのはどういった場合なのか、増額するためにはどうしたらいいのかをつかんでおくと交渉もしやすくなります。
 
 まず、離婚に至る前までの夫婦関係がよかったかどうかは、慰謝料の増減に影響します。
 夫婦関係が円満だったのなら、たとえば不貞行為によって離婚になった場合は精神的苦痛が大きいと判断されて、慰謝料が相場よりも高くなりやすいと言えます。

 逆に、夫婦関係がすでに悪化していたのなら、不貞行為による精神的苦痛は大きくないと判断されて、慰謝料が減額されやすいです。
 DVやモラルハラスメントが理由の場合は、暴力や暴言などを受けた証拠があるかどうかが慰謝料の金額に影響します。

 たとえば相手の暴力によってケガを負った際の医師の診断書、ケガや傷の状態が分かる写真、通院した回数やかかった受診料の控え、暴力や暴言を受けた日や内容のメモ、暴言やモラルハラスメントを受けた際の会話の録音などが証拠になります。

 特に、医師の診断書や公的機関での相談記録などは有力な証拠となりますから、増額をめざすなら準備しておくといいでしょう。
 悪意の遺棄やセックスレスによって離婚に至った場合は、生活費を受け取っていない証拠となる通帳や家を出た相手の転居先住所などの記録があると有利です。

 セックスレスの場合は自分のメモが主になるため証拠としてはあまり有力ではありませんが、性行為がない期間や相手に努力の姿勢が見えないことが分かるようメモをしておけば証拠としては採用されます。

 証拠を取るのは不貞行為についても同じです。
 不倫や浮気の相手と肉体関係があることを強く疑わせるもの、たとえばラブホテルや相手の自宅に出入りしている写真や滞在時間が分かる記録などは有力な証拠となります。

 こうした証拠を示すことは、婚姻生活を破綻させた原因が相手にあるという主張を裏付けることになるので、慰謝料を増額させやすくなるでしょう。

 逆に言えば、主張だけで証拠がないと慰謝料の増額は難しいケースが多いです。
 特に調停や審判をする場合、家庭裁判所は客観的な事実だけを見て慰謝料の有無や金額を算出しますから、証拠はできるだけ多くあるに越したことはないと言えます。

慰謝料の請求手順

 相手に慰謝料を請求することになったら、次のような手順で進めていきます。
 
 

夫婦で直接話し合って決めるという方法

 
 先ほど触れた離婚に至る理由を証明する証拠があれば、話し合いの場で提示して慰謝料の金額を交渉します。

 離婚に至る理由やその程度、相手の支払い能力によって金額を調整しましょう。
 お金の話はシビアなものですから、つい興奮してしまいがちですが、相手に引っ張られることなく冷静に交渉することが大切です。

 

話し合いでは決着しない場合は、調停という方法になります。

 家庭裁判所に慰謝料請求に関する調停を申し立てて、調停員と呼ばれる第三者をはさんで話し合いを行います。
 調停員は双方の言い分と提示された証拠を照らし合わせて判断しますから、相手よりも調停員を説得するつもりで交渉にあたりましょう。

 

調停でも決着がつかない場合は裁判になります。

 家庭裁判所に訴状を提出して提訴し、複数回の口頭弁論を経て裁判官が慰謝料の有無や金額を決定します。

離婚後にかかるお金の話

 慰謝料そのものの金額を交渉することは大切ですが、忘れてはいけないのが離婚後の生活にかかるお金です。
 具体的にどのようなお金がかかるのでしょうか。

 離婚後すぐにかかるお金としては住宅に関するお金があります。
 離婚時の財産分与で持ち家を受け取りそのまま住む場合や、実家に帰って親と同居する場合は大きな出費はありませんが、賃貸マンションを借りて生活するのであれば敷金や礼金、火災保険料などで数十万円はかかります。

 そのまま住む場合を除けば引越しが発生しますから、引越し費用や大型ごみの処理費用もかかるでしょう。

 次に毎月の生活費がかかります。

 賃貸マンションなら賃料に加えて、食費や光熱費、通信費、医療費、交際費、生命保険料などがかかります。
 熟年離婚の場合は離婚時にすでに何らかの持病を抱えていることも多く、また今後受診する機会が増える年代になりますから、思わぬ医療費がかかることは想定しておかなければいけません。

 慰謝料を受け取れたとしてもそれだけで離婚後の生活が成り立つわけではありませんから、特に今まで専業主婦やパート勤務だった妻は、収入減を確保することが重要と言えるでしょう。

まとめ

 離婚時の精神的苦痛に対する責任を形とした慰謝料は、離婚に至った理由やその程度によって金額が上下します。
 しかし相手との話し合いでうまく折り合いがつくのか不安な人も多いでしょう。

 そんな時は弁護士にサポートしてもらいながら、正当な金額を受け取れるよう手順やポイントを押さえて話し合うことをおすすめします。

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編集部

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