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金銭問題を理由に離婚できるか

更新日:2019年02月05日
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結婚生活は夫と妻の共同生活です。

家庭を築き維持していくためには、お互いを思いやって家事や育児などを分担すると同時に、必要な生活費を得ることが重要です。

しかし、夫か妻のどちらかが借金をしたり、生活費を十分に渡さなかったりして家庭を維持することが難しい状況になった場合は、一緒に暮らしていくという気持ちをなくす重大な離婚原因になりえます。

この記事では、金銭問題がある理由で離婚を請求できるのかを解説し、金銭問題を起こした相手に慰謝料の請求ができるのか、相手と離婚を話し合う前に確認すべきことは何かといったことをまとめてお伝えします。

金銭問題は離婚理由になる?

夫婦のほとんどは、家庭生活を維持するために節約をしながら貯金に励み、将来の生活設計を立てながら生活していきます。

共働き家庭であっても、夫が外で働き妻が専業主婦として家の中を切り盛りする家庭でも、こうしたあり方は変わりません。

しかし、夫か妻のどちらかが金銭問題を起こすと、余裕のある家庭生活ができなくなる危険に陥ります。

たとえばギャンブルや株などで多額の借金をつくった、自分の収入をほとんど家に入れず一人占めして好きなことに使ってしまうといった問題があると、夫婦としての共同生活を円満に築くのが難しくなると言えるでしょう。

実は、離婚が話し合いや調停によって決まった場合は金銭問題を理由とすることができますが、裁判で離婚するかしないかを争う場合、借金は法的な離婚事由としては認められません。

借金があることで生活が維持できない、つまり「婚姻を継続しがたい」とみなされるかどうかがポイントとなります。

ただし、同じ金銭問題でも生活費を入れないという問題については、配偶者から悪意で遺棄されたとみなされて裁判で法的な離婚事由と認められることがあります。

一口に金銭問題と言っても、離婚の理由にできるかどうかは内容と離婚の形式によって変わることを覚えておきましょう。

慰謝料の請求はできるのか

相手が起こした金銭問題によって精神的苦痛を受けたので慰謝料を請求したい…そういう声は少なくありません。

結論から言うと、金銭問題に関する離婚においては、慰謝料を請求できるパターンとできないパターンがあります。

慰謝料が請求できるパターンは、法的な離婚事由に該当して離婚に至った場合です。

金銭問題の場合で言うと、相手が生活費を入れないことが離婚の理由であれば慰謝料を請求することができます。

生活費を入れないというのは悪意の遺棄に当たり、結婚生活を維持できないと判断されるためです。

逆に慰謝料が請求できないパターンは、借金問題を離婚の理由として主張した場合です。

借金が多いという事実のみだけでは、法的な離婚事由にはならないためです。

ただし先にも述べたように、多額の借金によって生活の維持に支障が出てしまい、婚姻を継続しがたい状態に陥ったのであれば、法的な離婚事由になりますから慰謝料の請求も可能になると考えられます。

 

離婚前に確認すること

 金銭問題は、安定した日常生活を脅かす可能性が高い問題です。

きちんと話し合ったり内容を把握していないうちに離婚を進めてしまうと、思わぬ悪影響を受けることがありますから注意が必要です。

たとえば借金をしたのが相手であっても、家電製品や家具・日用品など生活に必要な物を購入するためにつくった借金は、共有財産を購入するための借金とみなされて支払い義務を負うことになる可能性があります。

また、住宅などの高額な商品において連帯保証人になっている場合は、たとえ離婚した後であっても返済義務が発生します。

対して、相手が自らの趣味やギャンブルを楽しむためにつくった借金の場合は、返済義務を負うことはありません。

また独身時代につくった借金についても、共有財産ではないため返済義務を負う必要はありません。

つまり、相手の借金がどういった内容や目的によるものなのかを把握して、配偶者である自分に返済義務が発生しないかどうかをきちんと調べておくことが重要です。

財産分与について

財産分与
夫や妻の金銭問題が原因で離婚を求める場合、原則として財産分与についても相手に請求することができます。

結婚生活の期間中に築いた預貯金、住宅や土地などの不動産、株、自動車、生命保険といった財産は夫婦の共有財産として扱われますから、本来は夫と妻とで1/2ずつ分けることになります。

ただし、こつこつと貯金してきた貯えを夫や妻に浪費された場合、使われた側からすると「なぜ半分も分与しなければいけないのか」と納得できないこともあるでしょう。

こうしたケースのためにとられる方法が「持ち戻し」です。

たとえば妻の貯金が1000万円あり、夫が300万円を自らの趣味のために費やしてしまった場合、本来なら1000万円に加えて300万円の共有財産があったとして合計1300万円の共有の貯金があると考えます。

本来ならその半分である650万円ずつを夫婦で分けますが、この場合はすでに夫が300万円を受け取っているとみなして300万円を持ち戻し、残った350万円が夫に分与されるという考え方です。

持ち戻しを行うには、夫が浪費をしたという明確な証拠が必要ですが、妻が証拠を提示できるのであれば選択肢の一つとして検討してもいいでしょう。

分からないことは弁護士に相談

 金銭問題を起こす夫や妻は、基本的に金銭面でルーズなことに加えて金銭に執着する傾向が強いです。

離婚を切り出した途端に借金の一部を負担させようとしたり、財産分与の話し合いのために財産情報の開示を求めても応じなかったりします。

それどころか自分の名義の預貯金などを隠して、財産がないように見せることも珍しくありません。

こうしたことを防ぐためには、離婚を切り出す前に綿密な計画を立てることが重要です。

離婚の成立のための証拠集めだけでなく、借金の支払い義務の有無や財産の把握などは、離婚のために別居してしまうとかなり難しくなってしまいますから、同居している間に粛々と進める必要があるのです。

どのような証拠を集めるべきなのか、財産の把握をどう進めたらいいのかといったことは、法律のプロである弁護士からアドバイスをもらうのがもっとも有効です。

相手が離婚を拒否することも十分考えられますから、協議や調停でも離婚が成立しない可能性を踏まえて、相手の起こした金銭問題が離婚に至る理由として相当であるということを証明するには何が必要か、プロの視点から指導してもらうといいでしょう。

特に金銭問題を起こしている相手との財産分与の話し合いはなかなか進まないことが多いもの。

より確実に財産分与を受けるというだけでなく、借金などの支払い義務をできるだけ負わないようにすることも大切です。

弁護士への相談が早いほど、取れる方法の選択肢も広がりますから、自己判断して感情的に突っ走ってしまう前に一度弁護士に相談してみましょう。

 

まとめ

安定した生活ができなくなる危険性を生む金銭問題。

「こんなに頑張っているのに簡単に浪費してしまう」「知らないうちにギャンブルで多額の借金をつくってきた」など、深刻な状況を招くケースも少なくありません。

金銭にルーズな相手に対して、できるだけ有利に離婚の交渉ができるように、弁護士のサポートを得ながら確実な方法で計画的に話し合いを進めましょう。

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離婚慰謝料弁護士ガイド 編集者

離婚問題に関する記事を専門家と連携しながら執筆中 離婚問題でお悩みの方は是非参考にしてみてください。 また、お一人で悩まれているなら一度弁護士へのご相談を強くおすすめ致します。 今後も離婚問題に関する情報を多数発信して参ります。

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