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養育費は、子どもに対する親の愛のカタチですのアイキャッチ

養育費は、子どもに対する親の愛のカタチです

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 お子さんがいて離婚に踏み切れない、そんな方はたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。「この子のために離婚はしない、出来ない」。そんな苦しみから解放され、一人で育てていく決意をした方に向けて、離婚後の『養育費』についてご案内したいと思います。

そもそも「親権」とは?

 まず養育費についてご紹介する前に、離婚時に必ず決める「親権」についてお話します。夫婦の中が冷え切っても、自分の子どもは絶対に譲れない-躍起になって奪い合うこともある親権は、どのように決定されるのでしょうか。

「親権」の権利と義務

 親権とは、「権」とついてはいあるものの、その権利の裏はあくまで「義務」です。親権は「子どもの福祉」のために子どもを監護・教育する、という点に立脚しており、親が子どもを支配して思い通りに扱う権利ではありません。

身上監護権

 親権は、身上監護権と財産管理権に大別されます。
 身上監護権とは、子どもの身分法上の行為を同意・代理する“身分行為の代理権”、子どもを生活させるための“居住指定権”、教育上子どもを叱る“懲戒権”、子どもが働くことを許可する“職業許可権”のことです。

財産管理権

 財産管理権は、子どもの財産を管理し、それに対する法律行為(売買や贈与等)について法定代理人として法律行為を行う権利です。

「親権」を獲得する

 協議離婚で決着がつかないと、調停で親権を争うことになります。調停でよくあるケースが、
1.離婚自体をするのかしないのかが争われている離婚調停
2.離婚することについてはお互い合意があるが、どちらが親権を持つか争っている離婚調停
です。ケース1.についてはこちらをご覧ください。
 ケース2.で親権を判断されるポイントは、①これまでの監護状況 ②子どもに対する愛情 ③肉体的精神的に健康であること ④子どもの年齢 ⑤子どもの意思 ⑥育児に時間を十分にかけられるか ⑦経済的に余裕があるか、です。
 なお、子どもが15歳以上であった場合は、子の意思が絶対的権力を持つということも確認しておきましょう。

姉妹

「養育費」の範囲

 お待たせしました。ではここから、養育費にフォーカスしていきます。

養育費をもらえる費用の範囲

 まず、養育費は子どもを育てるためにかかる費用なので、親権者の生活費は含まれません。そんな養育費を支払う範囲とはどんな項目でしょうか。
1.衣食住費
2.教育費(公立学校等の授業料・教材費・学校のクラブ活動費)
3.医療費
4.子どもが自立するための費用
が、挙げられます。
 2.教育費に注目してください。そう、教育費は、「公立学校」と定められているのです。ですので、私立の学校や習い事、塾の費用は養育費に含まれていません。
 但し、子どもが大学進学を臨める場合は、大学卒業までの授業料も養育費に相当します。

養育費をもらえる期間の範囲

 そんな養育費ですが、「子ども」は一体いつまでが「子ども」なのでしょうか。
 この問に関する答えは明快で、成人する、20歳までです。ただ、子どもが大学進学せずに就職すれば18歳まで、逆に大学進学すれば22歳まで、と個々のケース(専門学校や浪人・留年等)に対応しています。

養育費の相場

ここで気になるのが、養育費の相場ではないでしょうか。しかし、“養育費をもらえる費用の範囲”から導き出すと、子どもにかかるお金というものは、ひとりひとり異なります。ですので、養育費に相場はないといっても過言ではないでしょう。

養育費の基準

 ですが、基準がなければ話がまとまりません。そのため、裁判所が「養育費算定表」という、養育費の相場の参考になる表を作成しました。気になる方はご覧ください。計算が出来るようになっています。
裁判所 教育費算定表

養育費の算定

 そのような算定を試みる時、どのような個人的事情が勘案されるのでしょうか。
1.養育費を払う人の年収 ⇒高いほど養育費も高く
2.親権を持つ人の年収  ⇒低いほど養育費は高く
3.子どもの年齢     ⇒成長するほど養育費は高く(⇔教育費)
4.子どもの人数     ⇒多いほど養育費は高く

養育費を高くもらうためには

 調停での言動により、養育費を高くすることも可能です。個人でも簡単に準備できるのが、
1.相手方の年収を把握
2.子どもの将来を主張
の2点です。

証拠をすべて調べ上げる→年収を把握

 先にも述べました通り、相手方の年収が高いほど養育費も高くなる傾向があります。相手方がそれを知っていた場合、年収を少なく申告することもあります。
 ですので、給与明細書が難しければ、せめてクレジットカードの明細等、相手方の財力を把握しておきましょう。

どの道でもいいように→子どもの将来

 子どもを公立学校へ通わせるか、私立学校へ通わせるかまだ迷っている場合、少しでも高い養育費を手に入れ、余裕を持っておきたいものです。ですので、
・5歳から英会話学校に通わせる
・私立の中学受験をさせる
・大学は4年制に行かせる
等、子どもの将来(学習面)について計画を立て、主張することが有意義です。

夫婦

養育費の支払いを反故にされたら

 離婚時に取り決めた養育費を、毎月必ず受け取っている方は、なんと50%と言われています。特に協議離婚だと、「言った」「言ってない」と水掛け論になることが往々にしてあるようです。

支払われない原因

・相手方がリストラ等によって失業した
・再婚した
・わざと支払わない
等が挙げられます。この三点は、養育費の支払いを滞らせる理由にはなりません。では、どのようにしたらきちんと養育費を手にすることが出来るのでしょうか。

書面に残す重要性

 そのためには、離婚の話し合いをする際、口約束にしないことが一番です。あくまで、話し合いではなく「契約」だ、と念頭に置きましょう。
 相手方が支払いをやめた際取りうる家庭裁判所での手段もありますが、離婚時に契約し、「離婚協議書」を物証として残しておく方が、手段としては最も簡易です。
 離婚協議書に基いて、「公正証書」を作ると更に安心です。公正証書は法的根拠になりますので、もしもの際は強制執行することも可能になります。
 

親権者の親が再婚したら

 「養育費を受け取る相手方が再婚をした場合、非監護親(親権者でない方)は養育費の支払いをしなくてよくなるのか」という疑問が生じます。答えはノーです。

親子関係の変化

 法律上、別れた父母が第三者と再婚したとしても、子どもとの親子関係は消滅しません。ですので、養育費の支払い義務がなくなるわけではありません。
 但し、親権者が再婚し、新しいパートナーと子どもが養子縁組をするケースがよくあります。そうすると、そこに新しい親子関係が生じるので、非監護親の扶養義務が軽減し、養育費が減免することもあります。(※養親に子どもを扶養できる経済力がある場合)

親権者の離婚

 ところが、再婚した親権者が離婚をし、パートナーと子どもとの養子関係が解消されると、再び非監護親に養育費支払いの義務が課されます(※親権者の財力による)。
 以上のことから分かるように、子どもはいつまでたっても子どもですので、20歳になるまでは責任を負う自覚を持つということが重要です。

終わりに

 子どもを一人で育てるのは、簡単でないということは言うまでもありません。子育てをするうえで最も大切なことは子どもへの愛情ですが、それにプラスして金銭事情も大切です。
 愛する子どもとこれから始める新しい生活のために、離婚時に養育費の契約書を交わすことを忘れないようにしてくだされば幸いです。お金の話はしづらいものですが、養育費は、子どもの未来の選択肢を拡げる重要なファクターです。

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編集部

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