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『精神的苦痛』を理由に離婚はできるのか

更新日:2019年01月29日
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精神的苦痛という言葉は、離婚の話し合いにおいてよく耳にする言葉です。

信頼し合って夫婦となったはずの夫や妻から受ける精神的苦痛は、心身のバランスを崩してもおかしくないほどショックなものです。

ただし、どういった内容や程度のことを精神的苦痛と感じるかは個人差が大きく、一概に「こういう状況だから精神的苦痛を受けた」と定義づけすることは難しいと言えます。

この記事では、精神的苦痛を受けたという理由で離婚を請求できるのかどうかを解説した上で、相手に慰謝料の請求ができるのか、離婚の話し合いの前に確認すべきことは何かなどについてお伝えします。

精神的苦痛は離婚理由になる?

精神的苦痛を生じるには、ひとつのはっきりとした原因がある場合もあれば、さまざまな原因が複雑に絡み合った場合もあります。

精神的苦痛の原因になる内容については次のようなものがあります。

・相手からDVを受けている
・相手から日常的に暴言を吐かれる
・相手に浮気された
・相手から生活費を渡してもらえず満足に日常生活を送れない
・相手から過剰な束縛やハラスメントを受けている
・相手が家庭を顧みず平穏な家庭を築けない
・相手に共有財産を勝手に使われている

 多くはこうした原因が複数重なって、苦痛を感じる状態が生まれると言えるでしょう。

 また、単発的にこれらの原因が起きた場合だけでなく、日常生活の中で継続して上記のような苦痛を受け続けた場合は、安定した結婚生活が維持できないと判断されます。

この場合は法的な離婚事由として認められる可能性が高いでしょう。

慰謝料の請求はできるのか

精神的苦痛を受けたとして慰謝料を請求するケースはとても多いですが、どんな理由であっても請求すれば慰謝料を受け取れるというわけではありません。

離婚に関する精神的苦痛というのは、夫か妻のどちらかがそれまで円満だった結婚生活を破綻させるきっかけをつくった場合に、被害を受けた側が主張できます。

きっかけの種類としては、浮気やDV、モラルハラスメントなどがあります。

単に「傷ついた」「ショックを受けた」という感情的な主張をするのではなく、客観的に見て明確な不法行為があるかどうかが重要な判断基準です。

明確な不法行為があれば慰謝料の請求はできますし、実際に受け取れる可能性は高いでしょう。

不法行為に当たると判断されるか分からない場合でも、主張してみる価値はあります。

本人同士の話し合いで解決したいなら、相手に慰謝料の請求額と請求する理由を明示した内容証明を直接送るのがもっとも早いです。

相手から支払いを拒否されたとしても、慰謝料をもらうだけの明確な原因があるのであれば引き続き調停などで主張する価値は十分にあるでしょう。

 

離婚前に確認すること

 精神的苦痛を与える、受けるという関係性の夫婦だと、離婚の話し合いはスムーズにはいかないことがほとんどです。

特にDVやモラルハラスメントをするタイプの人は、自分に非があるとは全く思っていないからです。

それどころか、これまで自分の言うことを聞いていた相手が離婚を請求してきたことに激昂し、裏切られたと主張しますからまともな話し合いができないケースが多いです。

こうした状況になることをはじめから考慮して、精神的苦痛を受けたことを正当に主張できるよう準備することが必要です。

まず確実に行いたいのは、浮気やDV、モラルハラスメントなどに関する証拠を集めることです。

協議ではほぼ離婚は成立しないので、調停や裁判に進むことを考えて、誰が見ても明らかに不法行為があるということが分かるような証拠を提示することが、離婚に近づく方法です。

浮気の場合は、ホテルに出入りしている写真や性的関係を想像させるメールといった浮気を強く疑わせる証拠があると強いでしょう。

DVやモラルハラスメントの場合は、相手に言われたことを記した日記や、相手からの暴言が含まれたメール、精神科や外科などを受診した履歴、警察などに相談した履歴などがあると不法行為があったと認定されやすいです。

また、その証拠が本当に有益なのかを知るために、事前に弁護士や配偶者暴力支援センターなどに相談するという方法もおすすめです。

もし別居を考えているのであれば、可能な限り同居中に有利な証拠を積み上げておきたいので、こうした場所に相談することでどういった準備や証拠集めが必要なのかを教えてもらうことは有益と言えるでしょう。
また、子供がいる場合は離婚後の生活についても考慮する必要があります。

離婚の話し合いでは親権や養育費、面会交流といった子供に関する内容が多いので、事前に項目を把握しておくと心構えができて落ち着いて話し合いに臨めるはずです。

財産分与について

精神的苦痛を受けて離婚を請求する場合、慰謝料と合わせて財産分与も請求も行いましょう。

預貯金、住宅や土地などの不動産、株、自動車、生命保険など結婚生活の期間中に築いた財産はすべて夫婦の共有財産とみなされますから、夫と妻とで1/2ずつ分けることになります。

ただし、精神的苦痛を理由として離婚を求める場合、その内容によっては相手が強硬に離婚を拒否するケースが少なくありません。

離婚を拒否するということは財産分与など考えてもいないということになるので、戦略を立てて進めていかないと大きくこじれる可能性が高いです。

たとえ協議離婚や調停離婚のような話し合いによる離婚であっても、これまで支配下に置いていた相手から財産分与を請求されるのは心外だと主張することは珍しくないので、離婚を最優先に考えるのであれば多少の妥協が必要になるかもしれません。

分からないことは弁護士に相談

 精神的苦痛を理由とした離婚は、苦痛を感じる程度が個人によって大きく異なるだけに、「そこまでひどくないだろう」などと苦痛を感じていることが相手に伝わらないということがよくあります。

先にも述べたように、受けた精神的苦痛が離婚を請求する理由として妥当だということをしっかり伝えるには、誰から見ても納得できるような証拠がたくさんあるほど有利になるということを覚えておきましょう。

とはいえ、誰から見ても納得できる証拠とはどういったものなのか、どれくらい準備すればいいのか、自分が今持っている証拠が有効なのかといったことは、自分では判断できません。

確実に離婚できるよう持っていくには、離婚に相当するだけの精神的苦痛を受けていることをどう主張すると有効なのかを知ることが大切です。

1人で悩んでいても事態は変わりませんので、相手に離婚を切り出す前に一度弁護士に相談するのがおすすめです。

離婚できるかどうか、持っている証拠は有効かといった判断をしてもらえると同時に、離婚の切り出し方や進め方についてのアドバイスを受けることができます。

相談した弁護士との相性がよければ、協議の段階から代理人になってもらうのもひとつの方法です。

法律のプロが味方についてくれるというのは、物理的にも心理的にも大きな支えとなるはずです。

 

まとめ

精神的苦痛を受けた側からすると、今すぐにでも離婚したいという切羽詰まった状況になりやすいもの。

しかし行き当たりばったりで相手に離婚を切り出すと、相手の性格によっては拒否されるだけでなくさらに離婚しにくい状況にされてしまう可能性もあります。

なるべくスムーズに話し合いを進め、決裂したとしても調停や裁判で有利に立てるように、主張を裏付ける証拠集めをしっかり行うことが大切です。

そのためのサポートを弁護士に依頼するという方法もぜひ検討してみてください。

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編集部

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