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離婚に関する手続一覧:離婚届から離婚後の名義変更まで

2018年02月24日 公開
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 いざ離婚と決まった時に、用意しなければならないものは『離婚届』。離婚届はもちろん無料で市町村役場にて手に入れることが出来ます。
 提出時に訂正する可能性も考慮に入れて、双方の印鑑を持参することも要注意ポイント。そのような、円滑に離婚を進めるための『離婚届』と、離婚後の名義変更までについてご紹介します。

離婚届を出す前に

 離婚が決定した際に、離婚届を提出するまでにしなくてはならないことがあります。
・離婚後の戸籍(双方について)をどうするか
・不倫やDV等があった場合、賠償請求はどうなるか
・財産分与はどう分けるか
・妻と夫のどちらが親権者となるか
・子の養育費はいくら支払うか
・年金分割はどうするのか
これらは、離婚時に協議し、必ず書面やレコーダーに残してください。なぜなら、離婚届を出すとともに、音信不通になる人が多すぎるという実情があるのです。
合意の上で提出した離婚届は取り消しにも無効にも出来ません。届出をしてから、では遅すぎるのです。

離婚届の基本

 婚姻届を思い出す方も多いという離婚届。用紙の枠が緑色なことに、ためらいも感じられる方もいらっしゃるかもしれません。

離婚届における3つのポイント

1.事前に決めるべきことを整理しておく
⇒こちらは戸籍や財産分与等、上述の通りです。但し、年金の分割と親権については、離婚届にも書き込まねばならない事項ですので、その旨記載しましょう。
2.2人の証人に依頼する
⇒協議離婚の場合に限っては、20歳以上の証人2人に住所・生年月日・本籍地の記入と押印が必要になります。
3.修正液を使わない
⇒離婚届はボールペン等で記入し、誤字については修正液を使わず二重線で消して訂正印を押してください。

提出方法

 離婚届の提出は、離婚する一方や第三者でも構いません。書類さえきちんと書かれてあり、整っていれば近くの市町村役場に提出すればすぐ受理されます(身分証明書の提出を求められることもあります)。また、実は郵送でも受け付けています。

カップルのシルエット

離婚届の正しい書き方

 では、細かくみていきます。誤ることもあるため、離婚届は入手する際に2,3枚多く取っておくとよいでしょう。

■氏名

 氏名は戸籍に則り、離婚前の氏を記載します。

■生年月日

 和暦でも西暦でも構いません。

■住所

 現在住民登録をしている住所を記載します。(住民登録している住所とは、住民票が実際に存在する場所のことです。)

■世帯主の氏名

 離婚後の住居の世帯主を記載することになるので要注意です。

■本籍

 離婚する前の本籍地を記入します。(本籍が分からなければ、戸籍謄本を手配して確認しましょう。)

■筆頭者の氏名

 夫または妻の氏名を記載します。

■父母の名前

 実の父と母の氏名を記入します。既に死亡していても正しく記載します。

■父母との続き柄

 離婚する当事者と実父母との続き柄を記載します。

■離婚の種別

 調停離婚や裁判離婚等のときには、それぞれ調停成立日、判決確定日を記します。

■婚姻前の氏にもどる者の本籍

 元あった戸籍を確認のうえ、本籍及び筆頭者の氏名を記載します。

■未成年の子の氏名

 親権を持つことになる側に子どもの氏名を記載します。

■同居の期間

 同居を始めたときと別居したときをそれぞれ記載します。
①同居をはじめたとき:結婚式の日付等
②別居したとき:別居した日付等

■別居する前の住所

 別居していなければ空欄のままでよいです。

■別居する前の世帯の主な仕事

 該当欄にチェックをします。

■夫妻の職業

 ここは国勢調査の時期だけでよいので、国勢調査の年でなければ記載しなくても構いません。

■届出人の署名・押印

 必ず本人が署名・押印します。代筆は不可です。

■面会交流・養育費の分担

 該当箇所にチェックを入れます。離婚後の協議による定めでも構いません。

■証人

 協議離婚の場合のみです。

離婚届と必要書類

 市町村役場に行くとき、離婚届だけを持っていけば受理されると思っていませんか?実は、離婚届と共に必要な提出書類があるのです。以下、チェックしてみてください。

離婚の形式によって必要書類が変わる

 離婚には、「協議離婚」「調停離婚」「裁判離婚」という種類があり、一般的に夫婦の話し合いで決まる離婚は「協議離婚」といいます。
 協議離婚は離婚全体の90%を占め、裁判離婚にいたっては1%に過ぎません。

協議離婚の必要書類

 協議離婚の場合は、基本的に離婚届のみで十分です。念のため、身分証明書も持参しましょう。

調停離婚の必要書類

 調停離婚では、離婚届の他に
・戸籍謄本:本籍がある市区町村の役所に行く以外
・申立人の印鑑:離婚届に相手方の署名捺印は扶養です
・調停調書の謄本:調停離婚成立時に取得出来ます
 調停離婚の場合、調停成立の日から10日以内に届出をする必要があります。これを過ぎると過料(罰金)が科される可能性があるので注意してください。

裁判離婚の必要書類

 裁判離婚の場合にも、離婚届にプラスして必要な書類があります。
・戸籍謄本:本籍がある市区町村の役所に行く以外
・申立人の印鑑:離婚届に相手方の署名捺印は扶養です
・調停調書の謄本:離婚裁判が成立時に取得出来ます
・判決確定証明書:判決確定後に、裁判所に判決確定証明申請書を提出することによって取得出来ます
 裁判離婚の場合も、判決が確定してから10日以内に離婚届と共に提出しなければなりません。

離婚届を提出したら

 いずれの場合にせよ離婚届が受理されれば、晴れて第2の人生の始まりです。これからの恋愛にも積極的に臨めるでしょう。
 しかし、「すぐにでも再婚したい」と思っても、男性と女性では条件が異なります。男性は次の日にでも再婚出来ますが、女性には「再婚禁止期間」があるのです。
 不公平なように感じられますが、妊娠の有無から、法的に禁じられています。

離婚後

法的に離婚確定、その後は……

 離婚が成立したからといって、いつまでも甘い余韻に浸ってはいられません。というのも、離婚後の手続は山ほどあるのです。

役所での手続

○転居届・転出届・転入届・世帯主変更届
⇒転居届・転出届は転居前または転居日から14日以内
 転入届は転居した日から14日以内
*市町村役場に届ける
○印鑑登録の廃止
⇒印鑑・姓・住所を変更した場合
○国民健康保険・国民年金の加入手続
⇒扶養家族でなくなった場合
○児童手当・児童扶養手当の申請
⇒元妻が子を育てる場合
○離婚の際に称していた氏を称する届
⇒離婚時の姓を名乗る場合
 (しなければ、婚姻前の氏に戻ります)
*市町村役場に届ける
○子の氏の変更許可
⇒子の姓を同じ姓のままにする場合
*家庭裁判所に届ける

名義変更手続

○不動産の名義変更
⇒法務局に必要書類を揃えて提出
*法務局に届ける
○自動車変更登録(氏名または住所)
⇒変更事由発生後15日以内に申請
*陸運支局に届ける
○預貯金の名義変更または住所変更
⇒各金融期間による
○電話の名義変更または加入手続
⇒移転の1ヶ月前に電話会社に連絡
○生命保険・損害保険(名義人・受取人の変更)
⇒各保険会社による

住所変更手続

○運転免許証の住所変更
⇒本籍記載の住民票を持参
*警察署に届ける
○クレジットカードの住所変更
⇒各カード会社による
○パスポートの住所変更
⇒離婚後の戸籍謄本を持参
*パスポートセンターに届ける
○携帯電話の住所変更
⇒各携帯会社による
○郵便物の転居届
⇒郵便局HPでも転居手続可能

公的扶助手続

○ひとり親家庭医療費助成制度
⇒18歳未満の子どものいる母子家庭に、治療費の一部負担をする制度
*市町村役場に届ける
○生活保護
⇒生活に困窮している人に対して最低限の生活の保障をするための制度
*市町村役場に届ける

終わりに

 今回は離婚事情といったソフト面を排除し、『離婚』に対する法的なハード面に対してご説明いたしました。
 やっと離婚の目処が立っても、離婚をするため、そしてその後の生活を送るうえでの手続の煩雑さに驚かれた方も多いのではないでしょうか。
 スッキリと離婚まで運べるよう、事前に本記事をご高覧いただき、お役に立てれば幸いです。

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編集部

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