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別れないの?別れるの?:離婚が子どもに及ぼす影響とはのアイキャッチ

別れないの?別れるの?:離婚が子どもに及ぼす影響とは

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アメリカインディアンの教え

○批判ばかり受けて育った子は非難ばかりします
○敵意にみちた中で育った子はだれとでも戦います
○ひやかしを受けて育った子ははにかみ屋になります。
○ねたみを受けて育った子はいつも悪いことをしているような気持ちになります
○心が寛大な人の中で育った子はがまん強くなります
○はげましを受けて育った子は自信を持ちます
○ほめられる中で育った子はいつも感謝することを知ります
○公明正大な中で育った子は正義心を持ちます
○思いやりのある中で育った子は信仰心を持ちます
○人に認めてもらえる中で育った子は自分を大事にします
○仲間の愛の中で育った子は世界に愛をみつけます

これは、アメリカインディアンの教え、「子どもたちはこうして生き方を学びます」の引用です。子どもたちは、周りの大人たちや仲間に接せられることにより成長していきます。
そのような中で、"両親の離婚"という一大事が子どもたちに与える影響とはどんなことがあるのでしょうか。

世界主要国離婚率

 まず、日本の離婚率を諸外国と比較するため、G8加盟国の離婚率ランキングを見てみます。
1位ロシア  4.5
2位アメリカ 3.6
3位ドイツ  2.19
4位イギリス 2.05
5位フランス 1.97
6位日本   1.77
7位イタリア 0.19
(カナダはデータなし)
これをご覧になると、「日本の離婚率はそんなに高くはないのだな」と思われるかもしれませんが、計算をすると、最近では日本でも3組に1組は離婚しているという値です(ちなみにアメリカでは2組に1組が離婚しています)。
 また、ロシアでは、離婚を大きな問題として捉える人が少なく、再婚も少なくはないそうです。

離婚が子どもに与える影響10

 日本の離婚率の高さが分かったところで、その離婚が子どもに与える影響を見ていきましょう。
1.成績や社会的地位の低下
 アメリカの心理学者ジュディス・ウォーラースタイン氏の研究によると、離婚による不安から、将来的に学力が低下したり、社会的地位の低い職業にしか就けないことが多い、という結果が報告されています。
2.精神的なトラブル
 バージニア大学のヘザーリントン教授によると、両親が揃っている子どものうち精神的がない子どもは90%で、精神的トラブルを抱えている子は10%であるのに対し、離婚した親の子どもはそれぞれ75%と25%にも及ぶそうです。
3.家庭環境の激変
朝ごはんから就寝まで、子の今までのリズムは乱されます。思い通りにいかなくなった、強制される、等により、家族の温かみさえ感じられなくなります。
4.モノ、ヒトへの愛着の欠落
 ペットを可愛がっていた少女が、両親の都合(離婚)により"愛着"が変化します。すると、愛情に疑問を持ち始め、苦しみが生じることがわかっています。
5.放棄される恐怖
 片親を失ったことにより、もしかしたら自分のせいでないか、と、もう一方の親をも失うかもしれないという恐怖を感じ続けることになります。
6.両親の敵意を感じ孤独化
 両親の喧嘩の端々から感じる多大の敵意。子どもはそれを敏感に察知し、両親に対する怒りや孤独感、終わりなき恐怖といった感情に支配されます。
7.精神病リスクの増加
 精神科で受診された子ども400人を調査したところ、親が離婚した子は離婚していない家庭の子どもと比べ、精神病リスクが2倍になったというデータがあります。
8.子どの自信の離婚率が3倍化
 離婚した両親を持つ子が結婚した場合、両親が離婚した子どもは、両親が離婚していない子に対して3倍以上離婚する傾向にあります。
また、離婚した家庭で育った女の子が未婚の母になる率も、3倍になります。
9.喫煙率の増加
 離婚している家庭の男の子は、そうでない子どもに比べると、喫煙率が48%増加しており、女の子の場合は39%の増加が認められています。
10.依存症
 ドラッグ、アルコール、タバコに加え、「愛されなかった自分」の反動で、セックス依存症になる、高い承認欲求を持つ、というデータがあります。

ファミリー

離婚を子どもに伝えるとき

 積み木を壊さないように、よく、「子どものために離婚しない」というご夫婦がいらっしゃいますが、離婚しないことが子どもにとってよいことかというと、一概にそうとは言い切れません。
なぜなら、殺伐とした家庭生活は、子どもにとって余計に負荷がかかる場合もあるからです。
 

子どもはすべて分かっている

 「まだ小さいから分からないだろう」とあぐらをかいている方にお伝えしたいのが、「子どもはすべて分かっている」、ということです。
 子どもは、大人が思う以上に現況を理解しています。
 そして、両親が罵倒し合うのを見ると、「自分のせいだ」とまで感じてしまいます。「自分がいるからリコン出来ないのだ」、と……。
 あるいは、「自分がいい子になればうまくいくかもしれない」と、必死に自分の役回りを演じます。「いい子になれば、パパもママも仲良しに戻る」と……。
 

子どもへの伝え方

ですので、離婚に対して伝えるべきことは、子ども相手に、とするのではなく、立派な大人の1人だとして接すると、そちらの方が子どもは安心するものです。
 離婚の際に一人前に扱われることにより、子どもは自分の存在意義を認識出来ます。そしてその誠意は子どもに自信を与えます。

ミニオンズ

子どもと年齢

 また、一口に子どもといっても、その年齢は様々です。子どもの年齢によりどのような話をしたらよいのか。今度はそちらを見ていきましょう。

■0歳~2歳

 どうせ離婚するなら、まだ相手方の記憶がないうちに…と考える方もいらっしゃいます。特に、相手方に非のある離婚であれば、面会権をも失わせることも出来るかもしれません。
 但し、1つご注意いただきたいのは、この年齢の子は、母親の愛情が十分に与えられないと、心が不安定な状況下に置かれ、養育上よくないという点です。
 シングルマザーは子育てと仕事に追われます。それによってなかなか子どもを構ってやれないと、不安定なまま大人になってしまいます(しかも"両親の離婚"を経験していますので、それはなおさらでしょう)。
 かと言って、男親だから仕方ない、とは思わないでください。なるべく多くの時間を子どもと過ごせられれば、子どももその愛情をきちんと感じ取ります。親権=妻、という図式が浮かびますが、昨今のいわゆる"イクメン"を見ていると、設備の充実化や「働き方」等、時代は過渡期を迎えているようです。

■3~6歳

 この年頃の子どもは、自分の世界が中心です。だからこそ、親の不仲を自分のせいかもしれない、と思ってしまうのです。また、「なぜうちにはパパ(ママ)がいないの?」と質問される頃でもあります。
 その時は、「パパ(ママ)とママ(パパ)は離婚したということ、そしてそれはあなたのせいではないということ」を、丁寧に何度でも教えていくことにより、子どもは多くの不安から解放されます。

■7歳~18歳

 多感なこの時期は、両親の離婚で苦しんでしまうタイプと、すぐに立ち直れるタイプに大別されます。この時期は生きるための様々な術を学び、自立に向け自律を課すため、変化や苦悩を受け止めてくれる相手を求めます。
 片親で仕事が大変、精神的にも余裕がない、となれば子どもはますます自分だけで問題を抱え込んでしまい、その判断が誤ってしまうこともあるでしょう。
 なるべく親子の時間を取れるように過ごし、「どんな時でも頼れるのはやっぱりパパ(ママ)」だと思ってもらえる信頼関係構築しましょう。

絶対にしてはいけないこと3ヶ条

 子どもへの接し方を見てきましたが、そんな中、絶対にしてはいけないことがあります。子どもの人格形成に関わることですので、ぜひご覧ください。

①子どもの人格

 子どもだから平気だろう、子どもだから意味が分からないだろう、と、一方の親の愚痴や悪口を聞かせたりしてはいけません。
 また、子どもを夫婦間の伝言係にすることもよくありません。
 片方しかいなければ愚痴を聞かされ、2人いれば伝言係(しかも絶対に聞こえているであろうフロア)として使われる……。子どもの心は傷だらけになります。

②お金がない

 単純に計算すると、共働きの親と比べれば、収入は半分以下になり、切り盛りするのは大変になります。ですが、「お金がない」が口癖になっている方が非常に多く見受けられます。
 毎日毎日「お金がない」と繰り返していたことにより、「修学旅行に行けなくても大丈夫だよ」と子どもから言われた、というケースもあるそうです。
 子どもはそこまで察知している、ということは胸に留めておいてください。

③親のストレス

 上記2ヶ条はある程度子どもが大きくなってからの事案でしたが、乳幼児は大丈夫なのでしょうか。
 実は、離婚の意味も分からない乳児・幼児でも、片親が辛いと思っていたり、寂しいと思っていたり、大変で、疲れ切っていることを、肌で理解するものです。それは、一緒に暮らしていればすぐに伝わってしまいますので、注意が必要です。

アヒルのカップル

終わりに

 ケンブリッジ大学の社会発達心理学を専攻するマイケル・ラム氏は、離婚が子どもの成長にマイナスの影響を及ぼす要因として、以下の5点を提唱しています。
○非同居親と子どもとの親子関係が薄れること
○子どもの経済状況が悪化すること
○母親の労働時間が増えること
○両親の間で争いが続くこと
○単独の養育にストレスがかかること
 こちらの研究結果を踏まえると、確かに離婚は子どもに多大な影響を与えます。ですが、家庭内で両親を取り持ったりさせれば、離婚した方がよい、というケースも中にはあるでしょう。
 離婚を考えたのには、本記事をお子さまのために思い出していただき、離婚訴訟の際にはこちらをチェックしたうえで、弁護士に相談しに行っていただければ話合いもスムーズに進むと思われます。

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編集部 (弁護士)編集部

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