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離婚時に財産分与の話し合いをするタイミングはいつ?

更新日:2019年09月03日
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財産分与とは?

 離婚をする時は夫婦が2人で築き上げた財産を分ける「財産分与」を行います。
 財産分与は基本的には2人で協力して築いた財産ということで半分ずつにすることがほとんどです。

 さてこの財産分与ですが、しっかりと財産を把握して話し合っておかなければ、本来もらえるはずだった財産をもらう事無く離婚をしてしまうことになります。
 離婚を考えている方は財産分与について詳しく知っておきましょう!

財産分与の3つの種類

 財産分与には次の3つの種類があります。
  ・清算的財産分与
  ・扶養的財産分与
  ・慰謝料的財産分与
 1つずつ内容をみていきましょう。

 ●清算的財産分与
  清算的財産分与は「婚姻中に夫婦が協力して築いた夫婦の財産は2人で公平に分けましょう」という考え方です。たとえ妻が専業主婦だったとしても「妻が家のことをしたから夫が働けた」と考えられますので、専業主婦だったとしてもきちんと半分請求する権利を持ちます。
  財産分与の基本である考え方に基づく財産分与の方法だと言えます。
  現金・預貯金から車や貴金属に至るまで半分に分けます。

  しかし、離婚原因があるかどうかに関係なく2人で分けるということになりますので夫婦の一方が有責配偶者(DVや不倫などをしていた配偶者)であったとしても、有責配偶者側からも請求をすることができます。

 ●扶養的財産分与
  扶養的財産分与は、離婚をした後夫婦の一方が生活をすることができないなどといった事情がある場合に離婚後の生活がきちんと送れるようになるまでの補助をするといったような意味を持ってなされる財産分与です。
  例えば専業主婦でずっと働いたことが無い、病気をしていてすぐに働くことができないなど、経済的に弱い立場の配偶者に対して一定期間生活費として現金を渡すことが一般的な方法です。

 ●慰謝料的財産分与
  本来慰謝料は財産分与とは別の問題ですので、別に計算して請求されます。
(慰謝料は精神的苦痛を与えられた配偶者がその損害を補うために請求するもので、夫婦の財産を分け合う財産分与とは異なるため)
慰謝料的財産分与が行われるのは主に有責配偶者がいる場合の財産分与で、例えば2人が飼っていた犬がいて、お互いに手放したくないという場合に有責配偶者側が謝罪の意味も込めてその犬を配偶者に財産分与として渡すなどといったように、被害を受けた配偶者の精神的苦痛を和らげるための意味合いを持つ財産分与が慰謝料的財産分与というわけです。

財産分与を行うタイミング

 通常、財産分与は離婚が成立する前に行います。
 離婚成立後でも請求をすることはできますが時効があります。また、財産が減ってしまっており請求できたとしても本来もらえる金額より少なくなってしまう可能性や、元配偶者に連絡が取れなくなってしまい請求をすることができなくなるといった可能性があるため、よほどの事情が無い限りは離婚成立前に財産分与を行っておくべきだと言えます。

 財産分与請求権は離婚をしてから2年で消滅時効を迎えますので(民法第768条)、それまでに請求をしなければなりません。
 これはあくまで家庭裁判所に申し立てをする場合の話になりますので、当事者同士で話し合って合意をすることができれば2年を過ぎていても問題はありません。
 しかし離婚後当事者同士で話し合いがうまくいくケースは多くないと考えられますし、本来財産分与は贈与ではないのですが、離婚後期間があまりに経過してから財産分与を行うと税金逃れだと判断されて課税されてしまう可能性があります。

 確実に財産分与を行うには離婚成立前に行うこと、やむを得ない事情で離婚を急いだ場合は2年以内に請求を行うことが重要だと言えます。

 余談ですが、離婚をする前に別居をする場合は一度家を出てしまうと帰りづらくなることや立ち入り拒否をされた場合は住居侵入になってしまう可能性があります。
 そうなると財産の把握ができなくなってしまいますので、家を出る前に必ず財産が把握できる資料を持ち出しておきましょう。

財産分与の対象となる財産とは?

 何が財産分与の対象となる財産なのか把握しておかなければ話し合いのテーブルに着いても話になりませんし、資料を集めようとしてもできません。
 ここで財産分与の対象となる財産について把握して、すべての財産の資料を集めることができる状態にしておきましょう!

 ●財産分与の対象期間
  財産分与の対象となる財産は「婚姻期間中に築き上げた財産」です。
  結婚前に貯めていた貯金などは対象となりません(特有財産と言います)。例えば結婚前に始めた貯金の利息が婚姻期間中に増えたとしても、その利息は対象外となります。
  ちなみに、婚姻期間中だったとしても夫婦の協力なく取得した財産についても特有財産となります。例えば相続財産などがこれに当たります。
  特有財産が夫婦の協力によって価値が維持されたり増加したりした場合は、維持や増加の部分について財産分与の対象となる可能性があります。

 ●財産分与の対象物
  では具体的にどのようなものが対象物となるのかチェックしていきましょう。
  財産分与の対象物は現金や預貯金などのプラスの財産だけではなく、住宅ローンなどのマイナスの財産も対象となります。

  ①プラスの財産
   ・現金
  ・預貯金
   ・不動産
(配偶者の名義だとしても対象となります。)
   ・年金
(厚生年金や共済年金は財産分与の対象となります。)
・退職金
(退職日が近く、支払われることが確定しているような退職金など。もらえる可能性が高いものが対象となります。)
   ・有価証券
(株券など)
   ・自動車
・結婚後に購入した家具や家電
(結婚時に実家から持ってきたものは対象外となります。)
    等々…

   例えば夫の給料からこっそり隠れて貯めていた「へそくり」も財産分与の対象となります。
   隠していたへそくりが離婚後に発見された場合、元配偶者からそのへそくりに対して財産分与した割合で請求される可能性があります。
   へそくりとはいえ高額になる可能性もあり、それがトラブルの原因となるケースもあります。隠しておくからへそくり…なのですが、財産分与を行う際は隠さないほうがよさそうですね。
  
  ②マイナスの財産
   ・住宅ローン
   ・自動車ローン
   ・婚姻生活のために背負った借金
    等々…

   例えばギャンブルをするために配偶者の一方が作った借金や個人が楽しむための買い物などのために背負った借金は財産分与の対象にはなりません。
   生活費のための借金や食材を買うためのクレジットカードの支払い、子供の教育ローンなどは財産分与の対象となります。

まとめ

 財産分与は夫婦が共同で築き上げた財産を2人で分け合うことを言います。
 割合は原則として半分ずつです。
 財産分与の方法は清算的財産分与・扶養的財産分与・慰謝料的財産分与の3種類あり、離婚時の夫婦の状況によって分与の方法が異なります。
 財産分与は離婚前に行っておくことがベターです。やむを得ず離婚後に財産分与を行う場合は、離婚後2年で消滅時効を迎える前に裁判所に申し立てましょう。
 財産分与の財産はプラスの財産だけでなくマイナスの財産も対象となります。話し合いを進めるためにはすべての財産を把握しておくことが大切です。

 財産分与はお金に関わる話ですのでもめごとになってしまう可能性があります。
 また、財産の把握は決して簡単ではありません。
 もめごとになってしまって悩んでいる場合や、確実に財産を把握したい場合などは弁護士などの専門家に相談してみることをおすすめいたします。

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離婚慰謝料弁護士ガイド 編集者

離婚問題に関する記事を専門家と連携しながら執筆中 離婚問題でお悩みの方は是非参考にしてみてください。 また、お一人で悩まれているなら一度弁護士へのご相談を強くおすすめ致します。 今後も離婚問題に関する情報を多数発信して参ります。

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