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再婚できない期間がある!?再婚禁止期間とは?

更新日:2019年07月02日
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離婚後に再婚を考えている方、「再婚禁止期間」をご存知でしょうか?
 この再婚禁止期間は女性に対して民法で定められている期間となっていますので、男性は離婚後すぐに再婚をすることができます。
 
 なぜ、女性だけに再婚禁止期間が定められているのでしょうか?
 再婚禁止期間について、また定められている理由についてみていきましょう。

再婚禁止期間とは?

 まず、再婚禁止期間は民法第733条にて次のように定められています。

1.女は、前婚の解消又は取消しの日から起算して百日を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
2.前項の規定は、次に掲げる場合には、適用しない。
(1)女が前婚の解消又は取消しの時に懐胎していなかった場合
(2)女が前婚の解消又は取消しの後に出産した場合

つまり、女性は離婚をした日(離婚届の提出をした日や離婚調停が成立した日など)から100日を過ぎた後でないと再婚をすることができないということになります。
 なぜこのような定めがあるのかというと、『子供の父親が誰なのかを判別するため』です。子供の母親は当然子供を産んだ女性だとわかります。しかし、離婚をしてすぐ再婚をして子供が産まれた場合、その子供が前婚の夫の子供なのか、現在の夫の子供なのかがわからなくなるケースがあります。そのため再婚禁止期間を設けて、父親が誰かわからなくなることを防ぐというわけです。

 ちなみにこの再婚禁止期間が「100日」となったのは2016年のことで、それまでは6ヶ月間となっていました。
 また、元々の第2項は『離婚をする際に妊娠していた場合は、出産した日から「6ヶ月」の規定を適用しない』というものでしたので現在の条文とは内容が大きく異なります。
 
 再婚禁止期間の目的については合理性があるとされましたが、あまりに期間が長すぎるので男女平等を定めた憲法に違反すると判断されたため改正されたというわけです。

再婚禁止期間の例外

 さて、では第2項についてですが、こちらは再婚禁止期間の例外となります。
 第2項を簡単にすると、
  (1)離婚をした時点で妊娠していない場合
  (2)離婚後に出産した場合
 ということになります。
 離婚をした時点で妊娠していない場合、離婚後に産まれる子供は前婚の夫の子供ではないということになりますし、妊娠していた場合でも出産後にまた妊娠をすれば、新しく妊娠した子供は前婚の夫の子供ではないということになります(離婚をした時点で妊娠していた子供は前婚の夫の子供と推定されます)。
 しかし、これを認めてもらうためには医師が診断した証明書が必要となります。
 この証明書があれば、離婚後100日以内に再婚をすることができます。

 その他にも例外がいくつかありますので確認しておきましょう。
 ●前婚の夫と再婚をする場合
  この場合別の男性が父親であると推定されないため、再婚禁止期間であっても再婚をすることができます。しかし戸籍には離婚歴がつきます。

 ●行方不明・失踪宣告
  民法第770条第1項の規定により、配偶者の生死が3年以上明らかでない場合は裁判所の判決を受けて離婚をすることができます。
  行方不明の夫から子供を授かることはできず、仮に妊娠をしたとしても夫の子供ではないことが明らかです。そのため、このケースも再婚禁止期間内の再婚が可能となります。

  また、失踪宣告と言って民法第30条や第31条に定められているのですが、配偶者の生死が明らかでない場合は失踪の宣告をすることができ、7年間の期限が経過した後は死亡したとみなされます。
  この場合、配偶者は死亡したことになりますので、婚姻関係が終了します。
  また、7年以上の間生死不明の夫の子供を妊娠することはできないため、失踪宣告を受けた場合も再婚禁止期間内の再婚が可能です。
  
 ●嫡出推定が及ばない場合
  嫡出とは、法律上の婚姻関係にある夫婦の間に産まれることを言います。
  つまり、嫡出推定が及ばないとは、婚姻関係にある夫婦の間に産まれた子供ではないと考えられるということです。
  ちなみに嫡出子かどうかは、民法第772条によって次の期間で推定されます。

 ・婚姻から200日以内に出生した子→婚姻中の夫の嫡出子
 ・離婚から300日以内に出生した子→元夫の嫡出子

例えば夫が長期の海外出張に出ている場合や、妻が妊娠した時点で既に別居していた場合、夫婦関係が破たんしていた場合などどう考えても婚姻中の夫婦間にできた子供ではないという証明ができた場合再婚禁止期間内の再婚が可能な場合があるということになります。
  長期の海外出張の場合は、入国記録などをもとに妊娠する可能性について証明することができます。この証明については「親子関係不存在確認訴訟」をすることになります。親子関係不存在確認訴訟は、このような嫡出推定が及ばない場合に行います。
  この訴訟は利害関係人であれば誰でも起こすことができます。

  別居や夫婦関係の破たんについて証明ができず、嫡出推定が及ぶ場合は、法律上の父親から子供の出生を知った日から1年以内に「嫡出否認訴訟」をします。

  これらの訴訟の判決が出て、父子関係が無いことが確定すれば、再婚禁止期間内の再婚が可能になるというわけです。

 ●妊娠することができない場合
  女性側に妊娠することができない事が証明されている場合がこれにあたります。
  例えば
   ・子宮の全摘出手術を受けている
   ・両側卵巣の摘出手術を受けている
   ・不妊手術を受けている
   ・閉経している
  といったような場合です。
  これらを証明するには医師の診断書などが必要です。

再婚禁止期間を守らなかった場合

 もし、再婚禁止期間を守らずに婚姻届を提出しようとしても、役所では受け付けてもらうことができません。
 誤って受理されてしまったとしても、民法第744条によって婚姻の取消事由に当たりますので検察官などから取消しをされてしまうと考えられます。

 何よりも、再婚禁止期間を守らないことにより子供の父親が誰かわからなくなってしまう可能性があります。子供のためにも絶対に再婚禁止期間は守るべきでしょう。

再婚時に養育費はどう変わる?

 元夫から養育費を受け取っている場合、再婚をしたら養育費はどうなるのかという疑問を持つ人が多いようです。
 現実的には、元妻が再婚したことを元夫が知らない限りは養育費が支払われ続けることになります。元夫が再婚したことを知った場合は、元夫側から養育費の減免の申し出がなされるのではないでしょうか。

 ポイントとしては、養育費の対象となる子供が、元妻の新たな結婚相手と養子縁組をしているかどうかということです。
 養子縁組をしていれば新たな結婚相手が養父となりますので、子供の扶養義務は元夫から結婚相手へと移るものと考えられます。
 養子縁組をしていない場合は子供の父親は元夫しかいないことになりますので、変わらず元夫が養育費を支払い続けることになります。
 
 再婚した場合の養育費については、元夫婦で変更の話し合いをすることになるでしょう。話し合いがつかない場合は裁判所で調停(話し合い)や裁判をすることになります。

まとめ

 再婚禁止期間は子供の父親が誰なのかを判別するためのものです。
 元々は6か月間の禁止期間でしたがこの期間が違憲とされ、現在は100日となっています。
 再婚禁止期間には例外があります。子供がいなければ再婚禁止期間の例外となります。
 再婚後の養育費については元夫婦で話し合うことになります。

 再婚禁止期間についてわからないことがある場合や、例外に当てはまるがどうしたらいいかわからない場合、養育費について揉めている場合などは、弁護士に相談してみましょう。

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離婚慰謝料弁護士ガイド 編集者

離婚問題に関する記事を専門家と連携しながら執筆中 離婚問題でお悩みの方は是非参考にしてみてください。 また、お一人で悩まれているなら一度弁護士へのご相談を強くおすすめ致します。 今後も離婚問題に関する情報を多数発信して参ります。