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内縁の妻って?住民票は?扶養は?メリットは?

2018年10月16日 公開
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 男女の関係のひとつである内縁関係。

あえて内縁関係になるにはさまざまな理由がありますが、婚姻関係との違いをきちんと把握しているかどうかは重要なポイントです。

そこでこの記事では、内縁の妻とはどういった立場になるのか、内縁の妻を証明するにはどうしたらいいのかなど、内縁関係について気になる内容をまとめてみました。

内縁の妻とは?

まずは内縁の妻とはどういうものなのかについて見ていきましょう。

内縁の妻とは、法律婚、つまり役所に婚姻届を出して戸籍上夫婦となるという手続きをしないまま、男性と一緒に生活をしている女性をさします。
法律上の配偶者ではないため、同居している男性の姓ではなくもともとの自分の姓を名乗ります。
法律に縛られることなく婚姻関係を相手と持ちたい、法律婚による名義変更などを仕事などの事情により避けたいといった場合に選択されることが多いです。

内縁の妻になる条件

では、内縁の妻とはどういう条件によって成立するのでしょうか。

まず、戸籍上は婚姻関係ではないものの、婚姻の意思をもって同居していることが条件のひとつです。
婚姻の意思がなければ単なる同居人であり、内縁の妻とは言えません。
そして、法律婚の関係と同じ義務を担うことも条件となります。
夫婦としての関係をお互い積極的に持続することや、内縁関係が生じてから築いた財産を共有することが求められます。

また、内縁の夫以外の男性とは肉体関係を持たないことなどが求められる点も法律婚と同じです。
内縁関係である夫婦は戸籍上はどちらも独身ですが、婚姻の意思を持って同居しているのですから、法律婚での夫婦と同じように貞操の義務が発生することを忘れないようにしましょう。

内縁の妻を証明するには?

公的サービスを受けたい場合や相続などの問題に対応する場合などでは、内縁の妻としての証明が必要になります。
法律婚であれば戸籍謄本などで婚姻関係を証明できますが、内縁の妻の場合はこうした書類上の証明ができませんから、自分で内縁の妻であることを証明しなければなりません。
内縁の妻であると証明するには、次の3つのポイントを押さえておく必要があります。

1.男女とも互いに夫婦同然であるという意思を持っている

前項でも触れたように、たとえ同居していても婚姻の意志がなければ単なる同居人ということになってしまうため、内縁関係と認められる可能性は低くなります。
男女どちらとも、戸籍上夫婦ではなくても自分たちは夫婦同然の関係だという考えを持って一緒に過ごすことが必要です。

2.家族や周囲にも夫婦同然として認められている

本人同士の意思だけでなく、互いの家族や友人知人が二人を夫婦だと認識している状況であるというのも重要です。
客観的に見て、同居している男性の妻だと周囲から評価されるような実態があれば、内縁の妻であるという十分な証明となります。

3.同居している実態がある

内縁の妻であるという証明がもっとも強くできるのは、同居の実態があることでしょう。
同居していれば相手の男性と同じ住所での住民票を取得できるため、同居を裏付けることになり内縁関係として認められやすくなります。

また、同居しているだけでなく生計が同一であることも、内縁の妻であるという証明として有効です。
預貯金口座の出入金記録など生活費が一つの場所から出ている証拠があれば、内縁関係が証明しやすく、内縁の妻として認知されやすいと言えます。
同一の生計という以外に、男女それぞれがお互いに生命保険の受取人となっている場合も、内縁の妻であるという証明として役立つ場合があります。

 

内縁の妻で気になること

互いに信頼し合い、法律婚の夫婦と同じように生活しているとしても、内縁関係という立場は戸籍上の夫婦でない以上、法律婚と同じようにはいかないのではないかと不安になる人も少なくないでしょう。
ここからは、内縁の妻として生活していく中で気になることを見ていきましょう。

住民票

内縁関係の場合、基本的には、住民票の続柄の欄に「妻(未届)」「未届の妻」といった記載をしてもらえます。
この記載を希望する場合は、男女それぞれに配偶者がいないことを証明するために戸籍謄本や戸籍抄本の提出を求められることが多いです。

また、自治体によってはこうした記載ができないと窓口で対応するケースがあります。
実際には可能ですから、判例などを準備した上で役所に出向くと交渉が進めやすいでしょう。

内縁の妻でいるメリット

内縁の妻という立場は、法律婚で義務付けられるものには原則縛られません。

たとえば法律婚だと夫婦同姓でなければならず、妻が夫の姓になるケースがほとんどでしょう。
免許証やパスポート、預貯金口座などの名義変更の手続きなどの手間がかかりますが、内縁の妻であればこうした手間をかける必要がなく、姓を変えずに仕事を続けやすいというメリットがあります。
戸籍上はそれぞれが独身という立場なので、万が一別れることになったとしても離婚という形がない以上戸籍にその事実は残りません。

子どもがいた場合は、自分の連れ子であればもともと自分が親権者ですから状況は変わりません。
内縁関係になってからできた子どもについても、内縁関係の場合は子どもを出産した母親の単独親権となるため、いずれにしても親権で揉めることはほぼないと言えるでしょう。

また、法律婚だと現代でも「女性が男性の家に嫁ぐ」という意識が強いですが、内縁関係であれば法的な婚姻関係はないため相手の家に縛られずにすみます。
そのため精神的には対等な関係になりやすく、法律婚よりは妻としての義務や責任を求められることも少ないと言えます。
さらに、夫婦と認められていれば、法律婚と同等とは言えないまでも、年金や社会保険の控除といった公的サービスをある程度受けることができます。

扶養

相手の男性が自営業で国民年金を支払っている場合、収入が一定の金額以内で第3号被保険者と自治体から認められていれば、個人での保険料の負担を免除してもらえます。
国民健康保険も同様で、夫の被扶養者として加入することが可能です。
相手の男性が厚生年金であれば、別れることになった場合は年金分割の対象にもなりますし、万が一男性が死亡した場合は遺族年金も受け取れます。

浮気

内縁関係においても、相手以外の異性と肉体関係を持たない貞操の義務は発生します。
法的な婚姻手続きをしていないだけで実質的には夫婦なのですから、いくら独身という立場とはいえ他の異性と自由に交際することはできませんし、発覚すればいわゆる浮気となります。

浮気が認められれば、内縁関係であっても相手の男性や浮気相手の女性に慰謝料を請求できます。
ただし、慰謝料を請求するには、浮気の証拠をつかんで提示するだけでなく、互いが婚姻の意思を持って同居しているという事実をあわせて証明しなければいけないことを覚えておきましょう。

 

まとめ

内縁関係というと不安定で表立った関係として認められないというイメージが強いかもしれませんが、価値観が多様化し女性の社会進出も著しい現代では、法律婚に縛られない新しい関係の形のひとつでしょう。

とはいえ、社会的な認知度や理解度がまだ低いのも事実。
この記事を参考に、相手の男性ともよく話し合って納得できる関係を築いていきましょう。

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