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離婚理由№1は性格の不一致。この理由で簡単に離婚することができるのか?

更新日:2019年10月01日
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何故か離婚理由と言えば「性格の不一致」という理由をよく耳にしますね。
 性格の不一致という理由で離婚することができるのか、出来るとしたら慰謝料や財産分与はどうなるのか、など性格の不一致による離婚についてみていきましょう。

性格の不一致で離婚をすることはできるのか?

 「性格の不一致」というとかなりフワっとした理由になると思いますが、具体的には
  ・金銭感覚の不一致
  ・生活や教育などの価値観の不一致
  ・夫婦生活の不一致
 など、一緒に生活をするにあたっての感覚や価値観の違いということになります。

 そしてこの性格の不一致という離婚理由は日本の離婚理由で不動の第1位で、DVやモラルハラスメントなどの暴力・精神的暴力よりも割合が多いのです。
 
 では性格の不一致は果たして離婚理由になるのかというと、「法律上の離婚理由」にはならないのです。
 民法第770条で定められている離婚理由は次の5つになります。
①配偶者に不貞な行為があったとき
②配偶者から悪意で遺棄されたとき
③配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
④配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
⑤その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
 性格の不一致は①は浮気や不倫、②は生活費を渡さないなどの理由で、あとは③の生死が明らかかどうか、④の精神病かどうかなどの理由なのでどれにも当てはまりません。
 つまり性格の不一致が法律上の離婚理由として認められるかどうかは⑤のその他の理由に当てはまるかどうかというのがポイントとなります。

 離婚には夫婦での話し合いによる離婚の「協議離婚」と、協議離婚が整わなかった場合に家庭裁判所で行う「調停離婚」や「裁判離婚」があります。
 協議離婚や調停離婚の場合、離婚理由が性格の不一致だったとしても⑤に当てはまるかどうか関係なく離婚をすることが可能です。例えば「あなたがいちいち細かいことを言ってうるさいから離婚をしたいのよ」という要求に対して「俺も気に入らない部分があるから離婚しよう」という内容で成立します。

 しかし、配偶者が離婚を拒んだため協議離婚や調停離婚が整わず、最終的に裁判離婚を選択することになった場合は⑤に当てはまるだけの理由が無ければ離婚をすることができないということになります。
 そのため単純に“相手と性格が合わない”などというだけでは離婚理由にはなりません。
 ①から④までの理由と同じぐらいの重大な理由が必要であると考えられます。
 例えば性格の不一致が原因で別居に至り数年が経過した、家庭内別居状態で何年も口をきいていない、性生活の嗜好が違い過ぎて苦痛、セックスレスなど、夫婦の状態が「破綻」している場合に、⑤の理由に当てはまると考えられるのです。
 
 長くなりましたが、性格の不一致を理由に離婚をすることは“可能”です。
 しかし“法律上の離婚理由になるかどうか”は夫婦の状態が“破綻しているかどうか”がポイントとなるということです。

性格の不一致が理由の離婚で慰謝料を請求することは可能か?

 まず離婚の場合の慰謝料とは「離婚による精神的苦痛に対して支払われる金銭のこと」を言います。配偶者側に離婚に至った原因がある場合に、こちらが被った精神的苦痛に対しての損害賠償として支払われるお金のことです。

 つまり、例えば配偶者側が離婚理由①の不貞行為を行った場合や②の生活費を渡さなかった場合など、法律上の離婚原因のような精神的損害などをこちらに与えて離婚に至っていない場合は請求することができないということになります。
 もうお分かりでしょうが性格の不一致が原因の場合、どちらか一方が悪いとも言いきれず、精神的苦痛を被ったとも言いきれないため慰謝料を請求することは基本的にできないと考えられます。
 特に協議離婚でお互いが合意して離婚した場合は慰謝料の請求をすることはできません。

 慰謝料を請求できるケースとしては、性格の不一致に至ってしまった原因が配偶者の不貞行為だった場合や夫婦が合意の上でお金を受け取る場合(※)などです。
 ※例えば夫側が妻に「お金を支払う」と約束した場合など。ただしこの場合は慰謝料ではなく「解決金」などという名前になります。

このように請求できるケースはありますが、基本的には性格の不一致による離婚ではもらえないというふうに思っておいた方が良いのではないでしょうか。

離婚前にやっておくこと・流れ

 ①証拠を集める
  どうして離婚をすることを決めたのかを後に裁判になった場合などに証明するために証拠を集めておく必要があります。具体的には夫婦関係が破綻したことがわかる内容のものになります。
  証拠になるものとしては配偶者とやり取りをした文章(メールなど)や同居している間に書いていた日記、もめた時の会話の内容がわかる録音データや動画といったものを集めておくと良いでしょう。
  夫婦関係が破綻した理由が配偶者の不貞行為や暴力だった場合はそれに加えて不貞行為の肉体関係がわかる証拠や暴力があった事がわかる医師の診断書などが必要となります。

 ②別居の準備をする
  性格の不一致だけが原因である場合は夫婦関係が破綻していることを証明するのが難しい可能性があります。この場合は別居をしてその事実を作りましょう。
  別居期間が長ければ長いほど⑤の離婚理由として認められやすくなります。
  期間は大体3年から5年以上の期間であれば認められるケースが多くなっています。

  この時にお金のことを把握しておくことを忘れないようにしておきましょう。
  一度住んでいる家を出てしまうと簡単に入ることはできなくなります。場合によっては住居侵入罪や窃盗罪に該当する可能性もあります。
  「もう戻ることは無い」という前提で完全にお金のことを把握しておきましょう。
  同時に写真や貴金属などの大切なものは完全に回収しておきましょう。

 ③弁護士に相談する
  証拠が十分なものかどうか、お金のことが完全に把握できているかということが完璧にわかる人は少ないのではないでしょうか。
  また、配偶者はこの先離婚に簡単に同意せず裁判になる可能性が高いというケースもあるかと思います。
  このような場合は弁護士に相談しましょう。
  離婚専門の弁護士であれば離婚をする際に話し合う財産分与(後述)や親権などについてのアドバイスをしてくれたり、そのための証拠にはどの様なものが必要か教えてくれたりします。調停や裁判になった場合は強い味方になってくれるでしょう。
  離婚を自分に有利に進めていくには弁護士に相談・依頼することが最善の方法と言えるのではないでしょうか。

性格の不一致の場合の財産分与

 財産分与の割合は夫婦で半分ずつが原則です。
 離婚を切り出したほうが多くもらえるなどといったことはありません。
 しかし性格の不一致の場合少し注意が必要で、配偶者が離婚をしたくないと考えていた場合に、「それでもどうしても離婚がしたいのであれば財産はこちらに残してほしい」と言われるケースがあるということです。
 こうなってしまうと財産を手放してもいいので離婚を選択するのか、財産のために離婚を我慢するのかという選択肢を選ぶことになってしまいます。
 あくまで財産分与の割合は半分が原則ですが、性格の不一致で離婚をする場合はこのようなトラブルが起こる可能性があるので注意が必要です。

わからないことは弁護士へ相談

 前述しましたが、お金のこと、子供のこと、この先の生活のこと、裁判になった後のことなど離婚をするにあたっては考えることがたくさんあります。場合によっては離婚を選択しないほうが良いケースもあります。
 この先のことも含めて弁護士に相談すると非常に有効なアドバイスをもらえる可能性があります。無料相談を行っている事務所なども多くありますので、まずは一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。
 また、裁判になる可能性がある場合は速やかに弁護士に相談や依頼をすることをおすすめいたします。配偶者側が弁護士を立てている場合は勝ち目が少なくなりますし、法律の場では法律の専門家がいるほうが安心だからです。

まとめ

 性格の不一致で離婚をすることはできますが、それだけでは法律上の離婚理由にはなりません。性格の不一致によって夫婦生活が破綻していることなどが理由として必要になります。
 性格の不一致による離婚で慰謝料請求をすることは難しいでしょう。
 離婚前には証拠集めや別居の準備が必要です。ただし、別居する前には自分が必要なものを完全に持ち出し、お金について確実に把握しておく必要があります。
 別居してしまう前に一度弁護士など法律の専門家に相談しておくことをおすすめいたします。

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離婚慰謝料弁護士ガイド 編集者

離婚問題に関する記事を専門家と連携しながら執筆中 離婚問題でお悩みの方は是非参考にしてみてください。 また、お一人で悩まれているなら一度弁護士へのご相談を強くおすすめ致します。 今後も離婚問題に関する情報を多数発信して参ります。

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