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不貞行為を認める基準や証拠とは?

更新日:2019年09月10日
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不貞行為とは?

 不貞行為を簡単に言うと浮気や不倫のことで、具体的には婚姻関係にある夫婦の一方が配偶者以外の者と肉体関係を持つことを言います。
この行為は離婚事由として定められている民法第770条1項1号の「配偶者に不貞な行為があったとき」に当たります。法的な離婚事由ということです。

例えば夫が不倫をしていた場合は、妻は慰謝料請求をすることができますし、夫は慰謝料を支払う義務が生じます。
とはいえこの不貞行為、いったいどの程度で不貞行為だと認められるのか、不貞行為だと認められた場合はどのような行動を取ればいいのか、この記事では不貞行為をされた側の夫婦の一方が証拠を集めてから離婚をするまでの流れをみていきます。

不貞行為と認められる基準は?


 不貞という言葉の意味としては「配偶者や恋人がいながら性的純潔を守らないこと。また、そのさま。」です。
 文字通り不貞行為を読み解くと配偶者がいながら性的純潔を守らず行為を行うこととなりますが、これだと少し曖昧でわかりにくいですね。
 はっきりと文字にすると配偶者が自分以外と「下半身が絡む肉体関係をもつこと」だということです。

 だからといって例えば妻が他の男とキスをしていたというのが離婚事由に当たらないかというと、決してそういうわけではありません。キスしかしていないと言っても不倫相手と会うたびにキスをしているようないわゆるプラトニックな関係だとしたら、それは不貞行為にはならない可能性がありますが、民法第770条1項5号の「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に当てはまるので離婚事由になるとされた判例もあります。

 つまりいずれにせよ配偶者でない者とキスをするにせよ肉体関係を持つにせよ離婚事由にはなりますが、不貞行為だと認められるためには下半身が絡む肉体関係を持っていることが判断材料となるということになります。

 ではほんの一部ではありますが、どういった場合に不貞行為だと認められるのかケースごとにみてみましょう。
●認められるケースと認められないケース
 不倫相手と食事をしていた
  →ただ食事をしていただけでは不貞行為になりません。

 不倫相手の胸を触っていた
  →法律上の不貞行為には認められにくいでしょう。

 誘われて仕方なく肉体関係を持った
  →とは言っても断ることができるので、自由な意思で肉体関係を持ったと考えられるため不貞行為になります。

 強姦された
  →強制性交等罪に当てはまるため不貞行為にはなりません。
   強姦した側は不貞行為となります。というか犯罪です。

 性的サービスを受けた
  →この場合も肉体関係が無ければ不貞行為にはなりません。
   また、サービスをした側が受けた側が既婚者かどうかを知ることは難しく、判例でも“婚姻共同生活の平和を害するものではない”としているものがあるため、そういったお店で行った肉体関係については不貞行為を認めてもらうことは難しいでしょう。
   しかし例えば風俗嬢が既婚者と知っていたうえで店外で肉体関係を持っていたという場合は不貞行為が認められる可能性があります。

 酩酊状態で肉体関係を持たされた
  →ひどく酩酊した状態で抵抗することができずに肉体関係を持たされてしまったという場合は準強制性交等罪に当てはまりますので不貞行為にはなりません。

 オーラルセックスをした
  →不貞類似行為となりますので、この場合は不貞行為ではなく“その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき”に当てはまると考えられます。
    

不貞行為された側ができること

不貞行為をされてしまった人が「夫婦の仲は決して悪くない」と感じていた場合はかなりショックだと思いますが、離婚をするにしてもしないにしてもこのままでは気が済まないのではないでしょうか?
不貞行為をした配偶者に対して、また不倫相手に対して請求できるものはきっちりと請求してやりましょう。

●慰謝料請求
 慰謝料とは精神的苦痛に対する損害賠償のことで、不貞行為によって精神的苦痛を負わせてきた配偶者や不倫相手には慰謝料を請求することができます。
 慰謝料の請求は
  ・配偶者のみ
  ・不倫相手のみ
  ・配偶者と不倫相手の両方
 に対して行うことができます。
 注意すべき点としては、例えば慰謝料が300万円だと決まった場合に配偶者と不倫相手の両方に対して300万円ずつ請求することができるわけではないということです。配偶者と不倫相手の両方から合わせて300万円を請求できるということになります。
 配偶者に対して慰謝料を請求する場合の多くは、離婚が決まっている場合にすることになるのではないかと考えられます。離婚をせず慰謝料を請求したとしても、夫婦の共有財産が右から左に移動するだけですので、離婚をしない場合は不倫相手だけに慰謝料を請求することになるのではないでしょうか。

●離婚請求
 前述しているように不貞行為があった場合は法律で離婚事由として認められていますので離婚の請求をすることができます。
 不貞行為を行った配偶者が離婚をしたくないと言っている場合は裁判所に申し立てて離婚調停や離婚裁判を行い、認められれば離婚をすることができます。

慰謝料請求には時効があるので注意

 慰謝料請求には時効があります。
 時効の種類は2種類あり、不倫の場合は
・不貞行為および不倫相手を知った時から3年間(消滅時効)
・不倫が始まったときから20年間(除斥期間)
 となります。

 重要なのは「不倫相手を知った時から3年間」の消滅時効です。
 不倫が始まったことを知っていても不倫相手がわからない間は20年間の排斥期間が進み続けるわけですが、その20年の間に不倫相手がわかったらそこから3年以内に慰謝料の請求をしなければ消滅時効によって請求をすることができなくなります。
 不倫開始から20年を経過した後は排斥期間の経過によって慰謝料の請求はできなくなります。

 ●時効が迫っている場合
  「催告」といって、相手方に慰謝料請求をする意思を伝えることで時効を半年間ストップさせることができます。
  催告をするには配達証明付き内容証明郵便を送る、または裁判を起こすなどの方法をとることになります。配達証明付き内容証明郵便を送ることによって配達証明で配達した日時と相手方が受け取ったことを、内容証明で差出人の住所氏名・差出日・受取人の住所氏名や文書の内容を証明することができますので、不倫相手などが「受け取ってない」ということを避けることができます。裁判よりも簡単な方法です。
  いよいよ時効が差し迫っているという場合は裁判のほうが早くストップさせることができます。裁判をする場合は弁護士などの法律のプロに相談してみると良いでしょう。

不貞行為の証拠はかなり重要

 不貞行為を証明することは簡単ではありません。証拠を十分に集めておく必要があります。また、内容がかなり重要です。
 よく見かけるのはLINEやメールの文面で「愛しているよ」「また会いたい」などといった内容を不倫相手と思わしき人物とやり取りをしているものですが、実はこれだけでは不貞行為の証明をすることはできません。「言葉遊びをしていただけ」と言われたらそれでおしまいだからです。

 さて、不貞行為は「下半身が絡む肉体関係をもつこと」でしたね。
 つまり、証拠はこの「下半身が絡む肉体関係をもつこと」がわかる内容のものを集めなければならないというわけです。
 具体的には次のような内容のものが証拠となります。
  ・不倫相手との肉体関係があった事がわかる内容があるLINEやメールなどを印刷したものまたは自分のカメラで写真に残したもの(転送は偽造を疑われる可能性がある)
  ・配偶者や不倫相手が不貞行為を認めた際の話の内容の録音や映像
  ・配偶者と不倫相手が性行為をしていることがわかる音声データや画像データ(継続性がわかるように複数回分あることが望ましい)
  ・ラブホテルの領収書
  ・ラブホテルに出入りしている写真(入るところと出るところの両方で、日時がわかるもの。複数回分あることが望ましい)
  ・配偶者の行動や自分の心情などを記した日記や記録
  ・ラブホテルを利用した事や旅行をしたことがわかるクレジットカードの明細
  ・SNSの写真(裸に近い写真などで認められた判例がある)

 いずれにしても集めるのは簡単ではありません。
 確実な証拠を集めたい場合は興信所や探偵に依頼してみましょう。
 また、いずれ裁判になる可能性がある場合やどのように慰謝料請求を進めていけばいいのか悩んでいるような場合は弁護士などに相談してみましょう。

まとめ

 不貞行為とは不倫や浮気のことで、法的に認められるためには下半身が絡む肉体関係を持っているかどうかがポイントとなります。
 不貞行為をされてしまった場合は慰謝料請求や離婚請求をすることができますが、慰謝料請求には時効がありますのでご注意ください。
 また、不貞行為の証明をするには証拠がかなり重要です。確実に不貞行為を証明する証拠を集めるためにはプロに依頼すると良いでしょう。

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離婚問題に関する記事を専門家と連携しながら執筆中 離婚問題でお悩みの方は是非参考にしてみてください。 また、お一人で悩まれているなら一度弁護士へのご相談を強くおすすめ致します。 今後も離婚問題に関する情報を多数発信して参ります。

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