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離婚だって悪くない!シングルマザーの幸せの掴み方のアイキャッチ

離婚だって悪くない!シングルマザーの幸せの掴み方

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 「離婚したいけどこの子がいるから…」、「別れても1人で育てていけるか…」、等、"子どものため"に離婚に踏み出せない方は多いと思われます。
 しかし、愛のない家庭で養育することは、果たして"子どものため"と言えるのでしょうか?
行政には、経済的に不利になる母子家庭のため、各種の支援制度があります。但し、その内容については離婚届を提出したからといって、誰かが教えてくれるものではありません。
 今回は、シングルマザーの実態から行政による助成までをまとめ、本当に"子どものため"になる離婚について考えます。

シングルマザーの実態

 まず、"シングルマザー"、いわゆる母子家庭の金銭面の現状を見ていきます。データは、厚生労働省による平成23年度全国母子世帯等調査結果報告を参考にします。

平均年間収入等

 母子世帯の母自身の平成22年の年間平均収入は、223万円、母自身の平均年間就労収入は181万円、母子世帯の年間平均収入(平均世帯人員3.42人)は、291万円となっています。
 ちなみに、同年の一般家庭の年間平均収入は658万円。母子世帯は、その3分の1の額で生活しています。
※「平均年収」とは、生活保護法に基づく給付、児童扶養手当等の社会保障給付金、就労収入、別れた配偶者からの養育費、親からの仕送り、家賃・地代等を加えた全ての収入額です。

就労収入の構成割合

 地位別年間就労収入等の構成割合を見てみると、就業している母のうち、「正規の職員・従業員」の平均年間就労収入は270万円、「パート・アルバイト等」では125万円になっています。
 仕事の内容別にみると、「専門的・技術的職業」が277万円、「事務」が215万円、「販売」が141万円、「サービス業」が149万円という内訳です。

妊婦

行政によるシングルマザーへの支援

 離婚に限らず様々な事情でシングルマザーになった場合、生活に直結する助成や手当は1つたりとも失いたくないものです。
 中には申請が必要なものも多いので、事前にきっちりと調べ上げ、「知らなかった」を防ぎましょう。

①児童手当

 児童手当は、母子家庭に限らず、支給対象となる子どものいる全家庭を対象としたもので、国が行っている支援制度です。対象になるのは、国内に済む0歳以上中学卒業までの児童です。
 ・3歳未満:月額15,000円
 ・3歳以上:月額10,000円(第1子・第2子)、月額15,000円(第3子以降)
 児童手当は毎年、各自治体への申請が必要ですので、お忘れにならないでください。

②児童扶養手当

 父母が離婚し、どちらか一方からしか養育を受けられない場合に、地方自治体から月ごとに支給される手当です。支給は、子どもが0歳から18歳までの世帯が対象で、申請が受理された翌月から計算されます。
金額についてを分かりやすく図にすると、

↓所得/子どもの数→ 1人 2人 3人
57万円 42,290円(全額) 52,280円(全額) 58,270円(全額)
95万円 35,180円 52,280円(全額) 58,270円(全額)
133万円 28,090円 44,070円 58,270円(全額)
192万円 17,070円 31,360円 44,500円
230万円 9,980円(最低) 23,160円 35,670円
268万円 0円 14,980円(最低) 26,810円
306万円 0円 0円 17,980円(最低)

となります。ここで注意しておきたいのは、所得額が制限額を超えた場合には、児童扶養手当は支給されなくなるという点です。
※所得の計算式
所得=(給与所得控除後の金額)+(養育費の8割)+(8万円)+(下記の諸控除の金額)
・障害者控除:27万円
・特別障害者控除:40万円
・勤労学生控除:27万
・寡婦控除:(一般)27万円/(特別)35万円
・医療費控除等(地方税法で控除された額)

③児童育成手当

 自治体によっては、独自で母子家庭(ひとり親家庭)への支援制度を行っていることがあります。「児童育成手当」は東京都での呼び名で、児童1人につき、月額13,500円が支給されます。
 金額や対象は各自治体で変わってくるので、お住いに近い自治体へ問い合わせしてみましょう。

④特別児童扶養手当

 精神または身体に障がいを有する20歳未満の児童の福祉増進を図ることを目的として、その児童の保護者に対して支給される国による手当です。
 ・1級:月額59,450円
 ・2級:月額34,270円
 こちらに対しても所得制限がありますので、お住いの自治体で確認・申請を行いましょう。

⑤母子家庭・父子家庭の住宅手当

 自治体によっては、20歳未満の児童を養育している母子・父子家庭の世帯主で、月額10,000円を超える家賃を払っている人を対象にした助成制度があります。
 自治体ごとに決まりがあるので、お住いの地域の自治体に確認してみてください。

⑥生活保護

 健康で文化的な最低限度の暮らしを送る、という理念の下、生活保護費が支給されます。生活保護は、ひとりひとりの個人ではなく、世帯単位で支給されます。
 受給するためには、資産や貯金があるか、親族が扶養出来るかどうか、労働が出来るかどうか等、様々な条件があります。
 また、生活保護には、
・生活扶助
・住宅扶助
・教育扶助
・医療扶助
・出産扶助
・失業扶助
・葬祭扶助
の7種類があり、世帯状況によって支給されます。
 受給金額については、お住いの土地、収入、家族構成により異なります。

⑦ひとり親家族等医療費助成制度

 ひとり親医療費助成金制度は、母子家庭等に対し、その医療を受けるのに必要な額を一部助成し、母子家庭等の福祉の増進に寄与することを目的とした制度です。
 ほとんどの自治体で用意されている制度なので、活用をおすすめいたします。

⑧乳幼児や義務教育就学児の医療費助成

  乳幼児や義務教育就学児の医療費助成は、母子家庭(ひとり親家庭)の子に限った制度ではなく、支給対象となる子がいる全家庭が対象です。
但し、年齢基準、通院、入院等により違いがあるので、詳細は自治体に確認してください。

⑨遺族年金

 公的年金に加入している本人が亡くなった際、その子どもや配偶者等に給付される、いわば公的年金の死亡保障制度です。
遺族年金は遺族基礎年金と遺族厚生年金がありますが、母子家庭だと、状況によっては両方を受給することが出来ます。また、遺族である子どもや配偶者の年齢、所得によって給付内容が異なります。

話し合い

シングルマザーの6つの減免、割引制度

 前項では「足される」シングルマザーへの助成を紹介しましたが、ここでは、「引かれる」保障を見ていきます。

①国民年金・国民健康保険の免除

 国民年金には、所得が少なく、保険料を納めることが困難な場合、本人の申請により、保険料を全額、または半額免除する制度があります。

②交通機関の割引

 母子家庭等には、交通機関の割引制度があります。児童扶養手当を受給している世帯は、JRの通勤定期乗車券が3割引で購入出来ます。また、公営バスの料金が無料や割引になるものもあります。

③粗大ごみ等処理手数料の減免制度

 児童扶養手当を受けている世帯には、粗大ごみ等処理手数料の減免制度があります。

④上下水道の減免制度

 児童扶養手当を受給している世帯等には、水道基本料金や料金の一部が免除される場合があります。

⑤非課税貯蓄制度(マル優)

 預金、公債(国債、地方債)等の元本350万円までの利子所得で課税される所得税(通常15%)と住民税(通常5%)を非課税に出来る制度です。通称マル優。

⑥保育料の免除と減額

 母子家庭を支援する制度として、各自治体によるに保育料の免除や減額があります。

ヒヨコ

シングルマザーの仕事

 子どもが小さいと言えど、働かなければ暮らしてはいけません。シングルマザーにおすすめの職種をご紹介します。

介護職

 シングルマザーにとってメリットの多い仕事です。各施設により、シフトの時間が決まっていたりそうでなかったりするので、子どもの成長に合わせて、時短勤務・夜勤・正社員、等と、柔軟な対応が出来ます。
 また、働きながら介護福祉士等の資格も取れるため、子どもが自立した後でも有用です。

保険の外交員

 保険商品の営業業務です。契約数を伸ばせば手当がついたり、勤務時間中のスケジューリングを自分で行うことが出来、時間の融通が利くのもこの仕事の利点です。

家事代行

 専業主婦を続けていた方に吉報です。家事代行は、主婦の経験を行かせる仕事です。働ける日時を設定出来るので、子どもがいても動きやすいのが嬉しいですが、お給料が安めのため、家事代行のみで生計を立てるのは難しいでしょう。

医療事務

 訪れる患者さんの応対、カルテ管理、レセプト(「診療報酬明細書」を作成する仕事)の3つがあります。
 業務内容にあった資格を取ったりと、確実にキャリアップが出来る点が人気の仕事です。

調剤薬局事務

 調剤薬局で保険の確認や明細書の作成を行い、薬剤師をサポートする仕事です。勤務時間と休日が固定されているため、子どもと過ごす時間の確保が出来ます。

シングルマザーの支援制度

 シングルマザーの就職を支援してくれる制度を有効活用しましょう。
 日本全国にある「母子家庭就業・自立センター」という機関では、シングルマザーに向け、相談や職業紹介等を行っています。

終わりに

 今回シングルマザーについて考えたことにより、離婚後の暮らしも「出来ないことはない」と感じ、離婚へ前向きな気持ちを持っていただければ幸いです。
 しかし、離婚後の収入に、慰謝料養育費がある、と考えていらっしゃる方は要注意です。というのも、離婚後に継続的に慰謝料や養育費を払い続ける元配偶者は、20%に過ぎず、すぐに支払いをやめてしまう、というケースが後を絶ちません。
 ですので、離婚の際には弁護士を立て、きちんと公正証書を作ったりと、新生活に向け万全の態勢をとることを強くおすすめいたします。

この記事の著者

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編集部

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