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勝手に離婚届を出される前に離婚届不受理申出を!

更新日:2019年07月02日
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 離婚の要件は夫婦双方に離婚をする意思があり、合意をすることです。
 しかし、中にはどちらか一方の意思を無視して勝手に離婚届を提出してしまうケースがあります。
 この場合、離婚届は受理されてしまうのでしょうか?

 勝手に離婚届を提出されてしまった場合どうなるのか、受理されることを防ぐことができるのかなど詳しくみていきましょう。

勝手に提出された離婚届は受理されてしまう?

 夫婦の一方の意思を無視した離婚に効力はありませんが、離婚届の受理には直接関係はありません。
 あくまで役所は離婚届の内容を形式的にチェックすることしかできませんので、離婚届の内容に漏れが無く、正確に記入されていれば受理されてしまいます。そこに夫婦間に離婚する意思があるかどうか、離婚届が偽造されたものかどうかということまではチェックすることはありません。

 つまり勝手に提出された離婚届だとしても受理されてしまえば離婚が成立してしまいます。後に無効であるとわかっても、役所は取り消すことはできません。
 

離婚届の受理を阻止することができる?

 そのため、配偶者が離婚届を勝手に提出する不安がある場合は「離婚届不受理申出」の手続きを行い、離婚届の受理を阻止するという方法があります。

 ●離婚届不受理申出とは
  夫婦の一方が協議離婚(話し合いによる離婚)に同意していないのに、他方が勝手に離婚届を提出してしまう危険がある場合や、離婚に同意して離婚届に署名・押印した後で気が変わってしまったといった場合に、役所に不受理申出書を提出することです。
不受理申出書が提出してあれば、後から提出された離婚届は受理されません。

離婚届は、戸籍謄本などが必要なく、提出者の本人確認書類さえあれば簡単に提出することができます。離婚届の筆跡が本人のものであるかどうかという点も確認されません。また、夫婦そろって提出する必要もありません。
そのため、簡単に提出することができてしまいますので、それを防ぐために離婚届不受理申出をする必要があるのです。

 ●離婚届不受理申出書を提出したほうが良いケース
  例えば
 ・離婚協議が終わっていないのに相手方が勝手に離婚届を書いている場合
 ・離婚協議の内容に納得していない相手方が無理やり離婚届を出して解決しようとしている場合(養育費の内容が気に入らないので離婚をしてうやむやにしてやろうという場合など)
 ・夫婦喧嘩をした時に勢いで離婚届を書いたが離婚するつもりはない場合
 ・話し合いをして離婚を決め、離婚届を書いたが後々やはり離婚をしたくなくなったいとう場合
 ・過去に不貞行為(不倫や浮気)があり、夫婦関係をやり直す際に担保として離婚届を書いている場合
など、離婚届への記入が済んでいる場合などは、知らない間に離婚届を提出されてしまう可能性があります。
この様な場合は離婚届不受理申出書を提出しておきましょう。

 ●離婚届不受理申出書の記入方法
  離婚届不受理申出書は役所に置いてあります。
  役所によってはホームページからダウンロードできるところもあります。
 ・申出日…申出を行う日を記入する。
 ・宛先(〇〇長殿と書かれているところ)…申出人の本籍地の市区町村長の氏名を記入する。
 ・申出人の表示等…申出人の氏名、生年月日、住所(住民登録をしているところ)、本籍、筆頭者氏名を記入する。相手方についても同じように記入する。
 ・その他…申出人が外国籍の場合は、相手方の氏名を記入する(相手方の本籍地に申出をするため)。
 ・申出人署名押印…申出人が署名押印する。
 ・申出人連絡先…日中連絡が取れる電話番号と現住所を記入する。

 ●離婚届不受理申出書の提出先
  書面に問題が無ければ、どこの役場でも受理してもらうことができます。
  後に本籍地に送られることになります。
  ここで注意が必要なのが、本籍地以外の役場で受理してもらった場合は、本籍地の役場に送られるまでに時間がかかってしまうということです。
  離婚届を勝手に提出される不安がある場合で本籍地に提出をすることができない場合は早急に最寄りの役場に離婚届不受理申出書を提出しておきましょう。

 ●離婚届不受理申出の必要書類など
  離婚届不受理申出書を提出する際に必要なものは以下のものです。

 ・離婚届不受理申出書
 ・申出人の印鑑(認印でよい)
 ・本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)

離婚届不受理申出には有効期間がある?

 離婚届不受理申出については、以前は役所で受理されてから最長6ヶ月の期限が設けられていました。インターネットで検索したら、現在でも期限がありますという記載があるコラムなどを見かけます。
 しかし、法改正により現在期限は設けられていません。
 離婚届不受理申出は、取下げをするまで有効ということになります。

 提出後に離婚協議が完了し、合意の上で離婚届を出す場合は申出人が離婚届を提出することによって取下げをしたとみなされますので、離婚届は受理されます。

 離婚届を提出せず取下げをしたい場合は、申出をした役所で取下げの申請用紙を記入します。その際は印鑑と身分証が必要です。 

離婚届が受理されてしまったら

 もし離婚届不受理申出書の提出が間に合わず、勝手に離婚届を提出され受理されてしまった場合、役所で離婚を取り消すことはできません。
 離婚を取り消したい場合は、家庭裁判所に「離婚無効調停」を申し立てます。
 離婚無効調停では、調停員が夫婦の間に入って無効の判断が正しいかどうかを審判します。申立人は離婚届を提出された時点で離婚をする意思が無かったことを証明しなければなりません。また、調停を成立させるには、相手方が無効であることに同意をしなければなりません。
 つまり、相手方が『合意の上で離婚届を提出した』と主張した場合、調停は不成立となってしまうというわけです。

 調停が不成立になった場合は、「離婚無効訴訟」に移行します。
 裁判官によって離婚無効かどうかを判断されます。
 無効とみなされれば戸籍上の離婚が訂正されて、婚姻関係に戻ります。

 調停も裁判も、かなりの時間や手間を要しますし費用もかかります。
 こうなる前に離婚届不受理申出書を提出しておきましょう。

 ここでそもそもの話になりますが、離婚届を相手方の合意無く勝手に提出する事は犯罪です(刑法第159条)。
 詳細は割愛しますが、懲役や罰金が科されることになります。刑事裁判を受けるということは、かなり重い犯罪だということです。
 もし相手方が勝手に離婚届を提出してしまいそうな場合はその旨を伝えるのも1つの手かもしれませんね。

まとめ

 夫婦双方の合意なしの離婚は無効ですが、離婚届が受理された場合はその効力は有効になってしまいます。
 離婚届が勝手に提出されそうな場合は離婚届不受理申出をしておきましょう。
 離婚届不受理申出は最寄りの役所で行うことができますが、申出先は本籍地の役所ですので受理までに時間がかかります。最寄りの役所に提出するときは早めに行っておきましょう。
 もし離婚届不受理申出が間に合わず離婚届が受理されてしまった場合は取消のために調停を行わなければなりません。調停がまとまらなければ裁判に移行します。

 申出についてわからないこと、そもそも夫婦間の話し合いがうまくいっていない場合、調停を行うことになった場合など、不安がある時は法律のプロである弁護士に相談してみましょう!
 初回無料で相談を受けている事務所もありますので、悩まずにまずは相談してみることをおすすめします。

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離婚慰謝料弁護士ガイド 編集者

離婚問題に関する記事を専門家と連携しながら執筆中 離婚問題でお悩みの方は是非参考にしてみてください。 また、お一人で悩まれているなら一度弁護士へのご相談を強くおすすめ致します。 今後も離婚問題に関する情報を多数発信して参ります。

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