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離婚調停とは?調停のタイミングとスケジュールについて解説

更新日:2021年06月30日
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 離婚をしたいけれど話がまとまらない。配偶者が話をしてくれない。
 このままではいつまでたっても離婚ができない。そんな場合はどうしたらよいのでしょうか?

 答えは離婚調停です。
 離婚調停について詳しくみていきましょう!

離婚調停とは?

 離婚調停とは家庭裁判所によって行う話し合いのことです。
家庭裁判所に離婚調停の申し立てをしたあと、家庭裁判所の調停委員が夫婦双方から話を聞いて調停を進めていきます。

 離婚のことだけではなく離婚に関わる問題も話し合うことができます。
 離婚に関わる話し合いとしては
  ・財産分与
  ・親権
  ・養育費
  ・面会交流
  ・慰謝料
  ・年金分割
 などがあります。

 調停においても夫婦の話し合いが終わらなかった場合は離婚裁判に移行します。
 離婚裁判になると最終的に裁判官から判決を言い渡されます。

どのタイミングで離婚調停を申し立てるべき?

 ではまずどのタイミングで離婚調停を申し立てるのか、主な理由をみてみましょう。
・配偶者が話し合いをしてくれない。
・(DVやモラハラを受けているなど)配偶者が怖いので二人で話し合うことができない。
・配偶者に言い負かされてしまう。
・配偶者のいう事がいつも異なる(昨日は良いといった条件が今日はダメとなるなど)。
・何度話し合っても配偶者が離婚をしたがらない。
・自分が変わる、やり直したいなどと言われる。
・感情的になって話にならない。
・お互いに親権を譲れない。
・遺産分割や養育費、慰謝料について意見が合わない。
 など、様々な理由があります。
 まとめると配偶者と2人で話し合うことが難しい場合や2人では話し合いがどうやってもまとまりそうにない場合が離婚調停を申し立てるタイミングだと言えるでしょう。
 離婚調停では調停委員2人と夫婦のどちらか一方が調停室で話をするため、夫婦が顔を合わせて話し合いをせずにすみます。そのため特にDV・モラハラを受けている人や言い負かされるばかりで自分の意見を言えないといった人は早く調停に進めたほうが良いかもしれません。

 ちなみに調停をとばして裁判をすることはできません。
 調停前置主義と言って、まずは調停をしてからでないと裁判をすることはできないのです。特に早く離婚したい場合は、調停をすると裁判に至るまでに時間がかかりますので早めに調停をしておいた方が良いでしょう。

調停のスケジュール

 では具体的に調停にはどの位の時間がかかるのか確認しておきましょう。

 ①離婚調停申し立て
    ⇓
 ②調停期日の連絡
    ⇓
 ③調停期日(1回目)
    ⇓
 ④調査
    ⇓
 ⑤調停期日(2回目)
    ⇓
  (④~⑤を繰り返す)
    ⇓
 ⑥合意ができたら→調停成立
  合意ができなかったら→調停不成立→離婚裁判へ移行

 だいたいこのような流れになります。
 それぞれの流れの内容を詳しくみていきましょう。

 ①離婚調停申し立て
  まずは家庭裁判所に離婚調停申し立てをします。
  申し立ての必要書類には次のようなものがあります。
   ・夫婦関係調整調停申立書 3通
(裁判所・配偶者・自分用に3枚必要。3枚複写のものを裁判所に用意してあります。コピーでも可。)
   ・事情説明書 1通
   ・子供についての事情説明書(未成年の子供がいる場合) 1通
   ・連絡先等の届出書 1通
・進行に関する照会回答書 1通
・夫婦の戸籍謄本(全部事項証明書。3か月以内に発行されたもの。) 1通
・年金分割のための情報通知書 1通

  また、申し立てには次の費用が必要です。
   ・申立手数料 1,200円(収入印紙)
   ・連絡用の郵便切手 各裁判所によって異なる。1,000円程度。

  申し立てる家庭裁判所は、配偶者(相手方)の住所地を管轄する家庭裁判所です。
配偶者の合意があり、管轄合意書を提出した場合は管轄合意書を提出した家庭裁判所でも調停を行うことができます。

 ②調停期日の連絡
  裁判所から第一回の調停期日の調整の連絡が来ます。
  調停期日が決まったら、夫婦双方に「調停期日呼出状」が送られてきます。
  調停期日呼出状に日時と場所が書かれていますので、その日時に家庭裁判所で第一階の調停が行われます。

  調停期日呼出状は普通郵便で送られてきますので捨てたりしないよう注意しておきましょう。
  また、調停期日呼出状には離婚調停の注意書きが書かれていますのでしっかりと目を通しておきましょう。

 ③調停期日(1回目)
  調停期日当日の持参物には次のようなものがあります。
・期日通知書
・印鑑
・身分証明証(運転免許証、健康保険証、パスポートなど)
・調停の解決になるような書類など
  
  期日に病気などやむを得ない事情などで行けなくなった場合は速やかに連絡をしましょう。
  
  期日は余裕をもって家庭裁判所に行っておきましょう。(遅刻をしたり態度が悪いと裁判官や調停委員の印象が悪くなってしまいますので気を付けましょう。)
  裁判所に到着したら、待合室で待機します。
  夫婦それぞれが別の待合室で待機しますので顔を合わせることはありません。
  また、帰りのタイミングが一緒にならないようにしたい場合は裁判所の人に声をかけておけばずらしてもらうことができます。
 
  待機していたら調停室に呼び出されます。
  まずは申立人から話をします。
  調停室の中には裁判官または家事調停官1名と、調停委員2名(基本的に男女1名ずつ)がいます。調停の進め方などを説明された後、申し立てた経緯や主張をすることになります。
  申立人の話が終わったら配偶者(相手方)が調停室に呼び出されて同じように説明を受けてから主張をします。申立人の主張も伝えられます。

  配偶者の話が終わったら再度申立人が調停室に呼び出され、配偶者の主張が伝えられます。色々な質問がされますのでそれに回答していきます。
  申立人の話が終わったら配偶者も再度調停室で話をします。

  このように交互に話を進めていきます。
  調停室での1回あたりの話をする時間は約30分で、計4回行われますので合計で2~3時間かかる計算になります。

  これで1回目の調停は終了です。
  大体1回では終わりませんので、次回の調停期日を伝えられます。

④調査
  調停と調停の間に調査官が様々な調査を行います。
  例えば事実の調査、監護状況の調査(子供の面倒を見ているか)、子供がどう思っているかといった気持ちの調査などが行われます。

 ⑤調停期日(2回目)
  1回目と同じように夫婦が交互に調停委員と話を進めていきます。
  2回目でも話し合いが終わらなければ3回目、4回目…と期日が決められていきます。
  多くは約半年ほどの期間で終了するようですが、裁判所の忙しさや話し合いの内容に異なりますので一概に半年で終わるとは言えません。

 ⑥成立・不成立
  調停の内容に合意をすれば調停が成立、合意ができなければ不成立となります。
  不成立の場合は離婚裁判に移行します。
  
  成立した場合は「調停調書」を作成します。
  調停調書の効力は強力で、内容に違反することがあれば強制執行することができます(例えば養育費を支払わなかった場合に給与の差し押さえができるなど)。
  そのため、内容に同意をすることができない場合は同意をしてはいけません。
  そして、調停が成立すると同時に離婚も成立します。調停成立から10日以内に調停調書と共に離婚届を提出します。この離婚届には相手方の署名捺印は必要ありません。

まとめ

 夫婦で離婚の話し合いができない場合は離婚調停をします。
 調停を申し立てるタイミングは、配偶者と2人で話し合うことが難しい場合や2人では話し合いがどうやってもまとまりそうにない場合です。
 調停から裁判に移行するまではかなりの時間を要します。早く離婚をしたい方は早めに調停を申し立てたほうが良いでしょう。

 実際の調停は夫婦が顔を合わせることなく、交互に調停委員に話をすることによって行います。調停が終わるまでの期間は約半年です。

 いずれ裁判になりそうで不安な方、調停を一人で進める自信が無い方などは、法律のプロである弁護士などに相談してみてはいかがでしょうか?
 費用はかかりますが、強力なサポートが得られるはずです。無料相談を行っている事務所もありますので、まずは気軽に相談をしてみましょう。

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離婚慰謝料弁護士ガイド 編集者

離婚問題に関する記事を専門家と連携しながら執筆中 離婚問題でお悩みの方は是非参考にしてみてください。 また、お一人で悩まれているなら一度弁護士へのご相談を強くおすすめ致します。 今後も離婚問題に関する情報を多数発信して参ります。

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