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嫁姑問題は離婚事由になる?

更新日:2018年12月28日
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 「年老いた両親と同居してほしい」と言われて夫の両親と同居を始めたけれど、姑からの嫁いびりが酷くて一緒に住んでいられない…など嫁姑問題に苦しんで離婚をしたいと思っていらっしゃる方も少なくないのではないかと思います。

夫の両親との同居や嫁姑問題は離婚理由になるのでしょうか?
詳しくみていきましょう。

嫁姑問題は離婚理由になるのか?

 民法の定めでは、協議離婚(夫婦での話し合い)や離婚調停(家庭裁判所での話し合い)によって離婚が成立しなかった場合、裁判所で離婚裁判をしなければなりません。離婚裁判によって離婚が認められれば離婚をすることができます。
 裁判所で離婚を認められるには、民法第770条1項に定められている次の離婚原因が必要です。
 1 配偶者に不貞な行為があったとき
2 配偶者から悪意で遺棄されたとき
3 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき
4 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
5 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき
 中でも5の「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」という他と違う抽象的な離婚事由が最も多い事由になっているそうです。

 嫁姑問題の離婚事由を認めてもらうにも「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」が離婚原因になるかと思いますが、裁判例では次のような事情を「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」と判断しています。
・長期間の別居
・DⅤやモラルハラスメント
・価値観や性格の不一致
・性交不能
・アルコール中毒、薬物依存
・過度な宗教活動
・犯罪行為
・浪費
 この中に嫁姑問題は含まれていませんが、その理由としては“嫁姑問題はどの夫婦にも起こりうる問題である”ということが挙げられます。つまり、“姑が口うるさい”“姑と性格が合わない”など嫁姑が不仲という程度では「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」だと認められることは難しいということです。
 認められた例としては、“嫁姑の関係が最悪なものになっているのにも関わらず夫が全く仲裁をしない”“姑の悪口や罵倒に夫が同調し助けてくれなかった”といったケースがあります。
あくまで離婚は夫婦間の問題ですので、裁判で離婚を認めてもらうには夫が嫁姑問題にどのように対応したかが重要なポイントとなります。

姑に慰謝料を請求することはできるのか?


 離婚をしなければならない程の嫁姑問題だった場合、嫁側から姑に慰謝料を請求することはできるのでしょうか?

 嫁姑問題に限らず、相手方に慰謝料を“請求”することは誰にでもできます。
 肝心なのは請求が“認められて”慰謝料を支払ってもらえるかどうかということです。

 そもそも慰謝料は「不法行為を行った人が、それによって精神的苦痛を受けた人に対して支払う賠償金のこと」です。
 このことから嫁姑問題での離婚になった場合の姑への慰謝料請求は、よほどの事情が無いと認められません。

 慰謝料が認められたケースとしては、
  ・夫婦は婚姻生活を継続しようとしていたにも関わらず、姑が主導して離婚をさせた
  ・姑による嫁や嫁の実家に対する酷い誹謗中傷
  ・姑からの精神的DVによってうつ病になった
 など、婚姻生活を継続することができなくなったことが明らかに姑によるものであればそれが不法行為に該当するとされて慰謝料が認められるようです。

嫁姑問題で離婚をする前に


 嫁姑問題で離婚を考えている方は、一呼吸置いて良く考えてみてください。
 そもそも何故結婚したのでしょうか。
 結婚をしたのは姑ではなく、好きになった男性である旦那と結婚をしたはずです。
 嫁姑問題で毎日辛くて、一日も早く姑と離れてしまいたい気持ちはよくわかりますが、それが原因で離婚をしてしまったら結婚生活は終了してしまいます。

 旦那への愛情は残っていますか?
 離婚する前に夫婦の状態をもう一度よく見つめ直してみてください。

 嫁姑問題によって旦那への愛情が無くなったので離婚をするのであれば後悔は少ないかもしれませんが、姑から離れるために離婚をすれば後悔してしまうかもしれません。
 そして姑は喜ぶでしょう。

 また、姑と離れたいからと言って勝手に出ていくことはやめておきましょう。
 夫婦は民法第752条によって同居義務が定められていますので、夫婦の家から勝手に出て行ってしまった場合は同居義務違反になります。
 転勤などで別居状態になることや、子供の進学先や両親の介護などで一緒に住むことができない場合、夫婦喧嘩での一時的な家出ぐらいでは同居義務違反にはなりませんが夫婦間の合意無く一方的に勝手に出ていくと違反となってしまいます。
そのため、離婚したい気持ちの勢いで出て行ってしまうと後々裁判をする際に不利になってしまいます。例えば子供がいた場合は親権が取れなかったり、違法な連れ去り行為と評価されてしまうことがあるからです。

 出ていくときは、夫婦の合意の上ですることと、合意書を作成しておき問題にならないようにしておきましょう。

 そして、嫁姑問題の多くはコミュニケーション不足であるケースが多いようです。
 夫婦と姑の三者で話し合う事で解決することもあるそうです。
 話し合いをしたからと言ってすぐに解決する事ではないと思いますが、話し合いをすることによって関係が良くなり離婚を避けられたら後悔せずに済むかもしれません。

 いずれにしても嫁姑問題による離婚の場合は焦らず一度良く考えてみてください。

財産分与には姑は関係ない

 財産分与とは、「婚姻生活中に夫婦共同で築いた財産をそれぞれの貢献度に応じて分配すること」です。財産分与は民法第768条1項に定められています。

 財産分与の対象となるのは「婚姻生活中に夫婦共同で築いた財産」です。対象とならない物には次のようなものがあります。
  ・結婚前の私物や預貯金など
  ・婚姻中に自分の名前で得た財産
  ・結婚をする際に実家からもらったもの
  ・相続財産(結婚前・婚姻中に関わらず)
 とはいえこれらの物も、それを維持するのに夫婦の協力があった場合などは共有財産と柔軟に考える場合もあります。

 財産分与を請求できるのは離婚後2年間です(民法第768条2項)。
 この2年間はあくまで家庭裁判所に財産分与の申し立てをできる期間ですので、協議や調停はいつでも行うことができます。
 しかし、協議や調停が整わないまま2年が経過した後では家庭裁判所に申し立てをすることができなくなりますのでご注意ください。

 嫁姑問題が起きている家庭では、旦那が姑の言いなりであることが考えられますので財産分与についても姑が口を出してくる可能性がありますが、財産分与は夫婦のことですので姑には何を決める権利もありません。自分の分はきちんと主張していきましょう。

離婚をする前に弁護士へ相談

 嫁姑問題で離婚をする前に一度プロの弁護士などに相談してみましょう。
 電話相談や面談相談を無料で行っている弁護士事務所もあります。
 何も知識が無いまま離婚を進めてしまおうとすると裁判で不利になることもありますし、例えば財産分与であれば知識が無いまま姑の言いなりになってしまうと損をしてしまうことになりかねません。ただでさえ姑に苦しめられてきたのに、もらえるはずだった夫婦の財産までもらえなくなってしまうのはくやしいですよね。
 今の夫婦の状況や姑との関係などを整理し、嫁いびりの証拠を録音や日記に残しておいてひとまずはプロの弁護士に相談してみましょう。

まとめ

 姑との関係で苦しんできた方は一刻も早く離婚してしまいたい気持ちでこの記事にたどり着いたという方もいらっしゃるのではないかと思いますが、ひとまず「本当に離婚してしまっていいのか」ということを考えてみてください。
 それでも離婚すると決めた方は、一度弁護士に相談してみましょう。

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離婚慰謝料弁護士ガイド 編集者

離婚問題に関する記事を専門家と連携しながら執筆中 離婚問題でお悩みの方は是非参考にしてみてください。 また、お一人で悩まれているなら一度弁護士へのご相談を強くおすすめ致します。 今後も離婚問題に関する情報を多数発信して参ります。

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