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<婚姻と離婚>

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 夫婦なら、一度は「離婚」を考えたことがある方も多いのではないでしょうか。ですが、具体的な離婚の仕組みはご存知ですか? 「婚姻」は市・区役所に届出をすることによって始まります。離婚と比べたら、法的な手続き自体は簡単ですよね(一方の名字が変わることで、免許証やパスポートの書き換えは大変ですが…。)。

 「離婚」を理解するうえで避けて通れないのはもちろん「婚姻」です。そこで、本記事では、「離婚」とは一体どのような制度で、どんなことが必要なのかを知るために、そもそも離婚をもたらす原因である「婚姻」と比較しながらご紹介していきたいと思います。

 なお、目次をクリックすると、記事全体の中から気になる部分だけを読むことも可能です。必要な情報のみをご希望の方はどうぞご利用ください。

<婚姻>

日本婚姻法の特徴

 さて、私たちが「民法」という名で呼ぶ法律は、戦後改正されたものです。現在の民法と改正前の民法とを区別をするために、以前の民法は「明治民法」と呼ばれています。
 民法は私人間で使う「私法」の一種で、憲法などの「公法」と違う性質を持ちます。
ではまず、驚きの明治民法下での婚姻と、婚姻に対する法律の変遷をチェックしてみましょう。

明治民法における婚姻

 明治民法においては、婚姻は一夫一妻制でありながら、なんと妾が公に認められていました。また、婚姻はイエとイエの結びつきと見なされ、戸主、いわゆる“お父さん(家庭で一番力を持つ人)”の同意が必要でした。

現行民法における婚姻

 男尊女卑そのものであった明治民法ですが、戦後、憲法改正により大きな変化がもたらさされます。
 法律の条文は少しとっつきづらいですが、
『憲法24条①婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。』
『憲法24条②配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。』
 と、夫婦の平等性が尊重されるようになったのです。

六法全書

婚姻の方法

 上記の通り、「婚姻は、両性の合意のみに基いて成立する」と、かつての明治民法は明確に否定されました。それでは、具体的には民法のどのようなメカニズムで婚姻が成立するのでしょうか。

婚姻の成立要件

 婚姻の成立要件は二つに大別されます。
1.形式的要件➖届出
2.実質的要件➖(1)婚姻意思の存在
        (2)婚姻障害の不存在
 形式的要件はごくシンプル。そう、婚姻届の提出です。書面における契約がない場合、婚姻は不成立、つまり当然のことながら無効と扱われます。
では、婚姻を考える二人に要求される、実質的要件を詳しく見ていきましょう。

婚姻の実質的要件

(1) 婚姻意思の存在

判例によると、婚姻意思とは「婚姻の届出意思+真に社会観念上夫婦であると認められる関係の設定を欲する効果意思」とされています。くだけた言い方では、「ベッドと食卓を共にする関係」と呼ばれることもあります。

(2) 婚姻障害の不存在

こちらは民法の条文に明記されています。当然のことのように思われるかと思いますが、男性と女性を区別しているような条文があるため、法律上の争いもあります。
731条:婚姻適齢
732条:重婚の禁止
733条:女性の再婚禁止期間
734条~736条:近親者間の婚姻の禁止
737条:未成年の婚姻についての父母の同意

婚姻の無効と取消

 ドラマやマンガで、「酔っ払った勢いで結婚しちゃった!」なんて見たことはありませんか? さすがにそんなストーリーは現実的でありませんが、婚姻については無効と取消が出来るのです。

無効

 婚姻が無効となる場合とは、742条、①結婚意思の不存在、と、②届出の不存在、です。判例によると無効は「はじめから当然に無効」とされ、裁判の必要はなく、提訴の権利や時間の制限もありません。
ただし、後から認められることがあれば、婚姻は届出の時点に遡って有効になります(判例)。なお、その認める方法としては黙示(明言や書面が不必要)でよく、意思の欠けている部分を補うこととされています。

取消

 取消が無効と違う点は、748条で「不遡及」とされていることです。不遡及とは、ある時点まで戻ることが出来ない、という法律用語です。無効は、上述のように婚姻したときまで遡ることが可能ですが、取消は、当事者や子どもなどの保護のため、遡って効果を発するものではありません。そのような取消ですが、これはどちらかが訴えることによって始まります。

婚姻の効果:身分・地位上の効果

 それでは、婚姻が成立した場合、どのような効果が発生するのでしょうか。権利や義務を初め、生活を営む上でのお金の在り方もみていきます。

夫婦同氏原則

 750条によると、夫婦は同じ名字を使わなければなりません。これは、一体性の象徴とされるからです。名字は「夫又は妻の氏を称する」と規定されているので、どちらかを選ぶことが出来ます(実際には、95%以上が夫の氏を選択しています。)。
議論が続く『選択的夫婦別氏制度(いわゆる選択的夫婦別姓制度)』ですが、現時点では認められていないのが現状です。(法務省の見解:http://www.moj.go.jp/MINJI/minji36.html)

同居・協力・扶助の義務

 では、婚姻によって夫婦双方に課せられる3つの義務をチェックしましょう。
1.同居義務➖夫婦間の本質的義務として、夫婦は同居しなければなりません。一方的に同居義務を違反しても、強制的に履行されることは実際には現実味がありませんが、いずれ離婚することになった場合、相手に対する離婚原因(義務違反)となり、慰謝料を請求することも可能となります。
2.協力義務➖共同生活を営むために、夫婦は協力しなければなりません。協力義務も同居義務と同じように、強制履行は出来ませんが離婚原因となりえます。ですが、同居義務と違うのが、周りからみたとき、それが明らかではないことです。つまり、離婚の際、原因として証拠にするのが難しいということです。
3.扶助義務➖扶助義務は、相互の経済的な協力・援助を指します。生活保持義務(自己の生活と同じように相手方の生活を負う)が発生し、扶助義務だけは履行強制が可能です。

貞操義務

 驚かれる方も多いかと思いますが、実は「貞操義務」に関する法律上の明文規定は存在しません。
 ですが、不貞行為は配偶者と相手方(浮気相手)との“共同不法行為”であるといえるので、慰謝料請求をすることができます。またこれは、(配偶者には対してはしないで)相手方だけの責任を問うことも可能です。この場合も慰謝料を請求できます。配偶者は許すけど、浮気相手は許さない…。離婚するつもりはない…。そんなニーズに合致しています。
 ここでポイントとなるのは、判例によると、婚姻関係が既に破綻していた場合(10年以上別居していた等)、同居義務を怠っているわけですので、法的保護には値しない、と見なされ、慰謝料を請求することは出来ません。

高校生カップル

成年擬制

 未成年が婚姻すると、名義変更や上述した手続きといった身の回りのことから、賃貸契約等といった法律行為を行う度に保護者の許可が必要だとすると、とても手続きが煩雑になります。そこで、婚姻した未成年は、法的な事柄をスムーズに進めるために、成人として扱われます。
*私法に限られますのでご注意ください(⇔公法…憲法等)

夫婦間の契約取消権

 第三者の権利を害すことがなければ、夫婦間でした契約は、婚姻中一方から取り消すことができます。なぜならば、(夫婦間の契約は、けんかなど一時の気まぐれによることも多いので)それが真実なのかがわかりませんし、「法は家庭に入らず」という原則があるからです。
 一つ問題になりうるのが、「婚姻中」という条文です。判例は、「婚姻中」とは、形式的にはもちろん、実質的にも婚姻が継続している状態、を指すとしています。ですので、夫婦関係が破綻した状況下で「○○の契約を取り消す」と一方が主張しても、それは婚姻中とは呼べませんので、取消権を使うことは出来ません。

婚姻の効果:財産上の効果

 婚姻する際、ほとんどの方に自然と「法定夫婦財産制」が適用されます。内容としては特に制限はありませんが、当然のことですが、民法が掲げる“公序良俗違反”を犯してはいけません。
 法定夫婦財産制の下では、独身時代の財産、婚姻による夫婦の財産はどのように扱われるのでしょうか。

お金
 

財産の帰属

 財産には別産制と共有制という二つの制度がありますが、日本の特徴としては、
『別産制(762条1項)+不明財産の共有推定(762条2項)』
を取り入れていることです。
 762条1項が示している財産を、民法上では「特有財産(固有財産)」と呼びます。これは、夫婦の一方が婚姻前から持っていた財産と、婚姻中自分の名前で得た財産(相続・贈与・給与等)の両方を指します。
 762条2項は、条文通り、夫婦のどちらにあたるか不明な財産は共有財産になる、ということです。
 762条は一見平等そうに思われますが、専業主婦・夫には不利益だという声が大きく、家事労働が評価されていない点が問題視されています。しかし、財産分与請求権、相続権、扶助請求権等が存在することから、判例では合憲(憲法違反ではない)だとされています。

親子

婚姻費用分担義務

 まず婚姻費用とは、「夫婦と未成熟子で営む日常の家庭生活を維持するのに必要な費用」を指します。金額は原則として夫婦間の協議で決定しますが、不可能な場合、家庭裁判所での審判によります。
 過去の婚姻費用についても適用することが出来、別居の場合はその経緯・有責性(責任があるのか)が考慮されます。但し、この費用が子どもの監護費用については連動しない、という判決が下されています。

日常家事債務の連帯責任

日常家事とは、「夫婦と未成熟子からなる家庭生活において日常必要とされる一切の事務」を示します。
 その具体的な範囲は、「個々の夫婦の社会的地位、職業、資産、収入によって異なり、また、その夫婦の共同生活の存する地域社会の慣習によっても異なる」という判決から、日常家事の内容はケースバイケースだということがわかります。

 さて、ここまでで婚姻のご説明を終わらせていただきます。別居が長いと婚姻は破綻していると扱われる点や生活の上での義務など、意外な点もあったのではないでしょうか。
 これらの知識を踏まえたうえで、今度は離婚について考えていきます。

<離婚>

離婚

日本における離婚の現状

 総務省統計局のデータによると、平成27年の婚姻件数は635,156件であるのに対し、離婚件数は226,215件です。内訳としては同居開始5年未満の夫婦が多いですが、近年取り沙汰されている「熟年離婚」の増加も気になるところです。

婚姻率と離婚率

離婚の手続き

 離婚の手続きは、以下の4パターンが挙げられます。
1.協議離婚
2.調停離婚
3.審判離婚
4.裁判離婚
 基本的には協議離婚が9割を占めます。ですが、全てが円満離婚いうわけではなく、日本では法的措置をとるのに積極的でないという風潮があるようです。また、弁護士費用が高額だと思い込み、弁護士事務所を訪ねることを躊躇する人が多いのも事実でしょう。
 そのためか、離婚で裁判沙汰にまで発展するケースは1%以下です。

離婚の成立

 離婚しようと思ったら、どのようなことをすればいいのでしょうか。夫婦間での相談は言わずもがなですが、下図のようなプロセスで離婚へと進んでいきます。

離婚の流れ

協議離婚(α)

 一番多い離婚の形式が協議離婚だということはご紹介いたしました。では、そんな身近な協議離婚のいろはについて見ていきたいと思います。

協議離婚

協議離婚の意義

 協議離婚は、「夫婦の離婚の合意+届出によって成立」する離婚です。極めて簡便な方法で、プライバシーの保護にも繋がるというメリットに反して、離婚意思の判断が難しい場合がある、というデメリットもあります。
 そこで1952年に、『離婚届不受理届出制度』が創設されました。一方的・単意離婚を防ぐこの制度は、年間45,000件程度の利用がなされています。

協議離婚の成立要件

1. 離婚意思の意義➖離婚意思がなければ、離婚は無効です(判例)。離婚意思は判例で「形式意思説」、つまり離婚届を提出する意思が必要だとされています。
 すると、離婚届を提出する意思さえあれば、仮装離婚も認められるのです。
*仮装離婚が認められた例
 ・債権者による強制執行を免れるための離婚
 ・夫に戸主の地位を与えるための離婚
 ・生活保護受給のための離婚(婚姻していると、収入が2人分として算出されるため)
 ・氏の変更のための離婚
2.離婚意思の存在時期➖こちらも判例があります。離婚意思は、離婚届作成時・提出時ともに必要です。婚姻届の場合は作成時のみで婚姻が可能、という違いがあります。

裁判所

裁判離婚(β)

 裁判離婚では、離婚の可否が裁判官の裁量による、ということがしばしば問題視されます。裁判官の主観、倫理観、婚姻観に左右され、離婚の自由を奪うおそれがあるためです。

不貞行為

=配偶者が自由な意思に基いて、配偶者以外の者と性関係を結ぶことを指します。
 ・不貞行為は、動機、相手方の任意性を問いません(判例)。
 ・婚姻関係破綻後に配偶者以外の人と肉体関係を持っても、不貞行為には該当しない、という点も意外なポイントです。

悪意の遺棄

=正当な理由がないのにも関わらず、継続して、夫婦の同居協力扶助義務に違反することです。
 但し、自ら相手方に対して相手が義務に違反せざるを得ない原因を作ったような場合には、悪意の遺棄には当たりません(判例)。

3年以上の生死不明

 最後の音信または消息があったときから起算して3年が経過すると離婚する権利が得られます。

回復の見込みのない強度の精神病

 精神病には程度問題がありますが、この条文は以下のように理解されています。
・「強度の精神病」=夫婦の協力義務を果たし得ない程度の精神障害
・「回復の見込みのない」=相当期間の治療をしても、なお治癒の見込みが立たない

その他婚姻を継続しがたい重大な事由

 婚姻が、客観的に見て破綻+継続しがたい場合には、離婚することが出来ます。例えば、
暴行虐待(DV)・重大な侮辱・配偶者の犯罪行為・配偶者の親族の不和・著しい浪費、ギャンブル・性格、価値観の不一致・性生活の異常、不一致・過度の宗教活動・難病などが挙げられます。
 ここでいう『客観的な破綻』というためには、三点、条件があります。
1.夫婦の別居が相当の長期間
2.その間に未成熟の子(親の扶養・扶助がなくては自分の生活を保持出来ない子)が存在しない
3.片方の配偶者が、離婚により精神的・社会的・経済的に極めて過酷な状態におかれない
これらの要件が満たされれば、たとえ責任のある一方からの離婚請求であっても、離婚が認められる、と、昭和62年に判例変更がなされました。

家

離婚の効果

 離婚が成立すると、様々な効果が発生します。婚姻により夫婦間では義務が生じるのはお話しましたが、では、婚姻中に築いた共有物は、どのように分配されるのでしょうか。ひとつずつご説明していきたいと思います。

身分・地位上の効果

 まず、社会的な効果です。離婚により、
1. 姻族関係が当然に終了します。意思表示は必要ありません。
2.再婚の自由が生まれます。但し、倫理的観点から、旧直系姻族間の婚姻は認められていません(旧直系姻族とは、元配偶者の祖父母や父母、自分の子どもや孫の配偶者を指します。)。
3.離婚復氏:名字は、戻すことも引き継ぐことも可能です。
4.祭祀財産(お墓等)の承継

財産上の効果➖財産分与➖

 判例によると、財産分与の性質とは、「(1)夫婦が婚姻中に有していた実質上の共同財産を清算分配するとともに、(2)離婚後における相手方の生活の維持に資することにあるが、(3)分与者の有責行為によって離婚をやむなくされたことに対する精神的損害を賠償するための給付の要素」と難しく規定されています。(1)~(3)に分解してみていきます。

夫婦財産の清算

1.意義:夫婦の協力によって築いた財産を清算する
2.対象となる財産:名義を問わず、婚姻後、夫婦が取得した財産+協力により維持された特有財産など過去の婚姻費用の清算も含みうる(判例)

離婚後扶養

 婚姻における義務の余後効なのか補償なのか、明確な規定はありません。

慰謝料

 有責行為(虐待・暴力・不貞行為等)があった場合に、慰謝料を請求することが可能です。平均の金額は200万円程度で、高くとも500万円くらいです。
 財産分与と慰謝料の関係は、同じか別々かが問われるところですが、判例は中間的な立場を示しています。曖昧かのように思われますが、この手法をとることにより、逆に柔軟な対応が出来るようになっています。
1.決定方法:協議・調停・審判
2.支払方法:金銭支払・現物給付

子供

子どもに関する効果

 離婚でよく争点となるのが、子どもの存在です。親権は協議・審判・裁判により決められますが、子どもが15歳以上であった場合は、子の意思が絶対的な力を持ちます。
 離婚後の面接交渉権も、親の権利というより、子どもの利益として考えられます。
 養育費については、親の子に対する扶養義務(生活保持義務)が発生します。

婚姻の死亡解消

 配偶者が死亡、失踪、認定死亡を受けた場合、婚姻は解消されます。離婚との違いは、姻族関係が当然に終了しない、という点です(市・区役所に届出が必要。)。
 また、財産上の効果としては相続が開始し、子どもに対しては生きている方が親権を行使します。

以上、婚姻と離婚についてご紹介いたしました。婚姻と離婚の側面を並べて考えることによって、法律的な観点から「やっぱり夫婦でいたい」「やっぱり離婚したい」など、今の状態を見つめ直す一助になれば幸いです。
上記は民法のごく初歩的な構成を簡略化しただけですので、より複雑な、細分化された個別なケースには対応しておりません。そのため、個々の事情により適用される、もしくは適用されない、という事象が生ずる可能性がありますが、その点はご容赦ください。

<婚姻以外の男女生活共同体【参考】>

 日本では古くから「内縁」という関係が存在してきました。内縁とは、『婚姻の実質を備えているが、婚姻の届出を欠く男女関係』を指します。民法は、「内縁」をどのように規定しているのでしょうか。

法的性質

昭和33年、内縁は婚姻に準ずる関係(準婚)であり、民法の規定は内縁に準用されるものと解すなど、一定の範囲内で法律上の保護が及ぶという判決が下されました。
 これにより、内縁関係でも、正当な理由がないのに破棄された場合には、故意過失を認め、不法行為の責任が肯定されました。

内縁の成立

 内縁は、婚姻意思と夫婦としての共同生活の実体があることが条件とされます。
また、婚姻不適齢・父母の同意の欠如・再婚禁止期間違反といった婚姻障害があっても、内縁として法律に保護されるという判例もあります。

内縁の効果

 内縁には、婚姻と同様の効果が認められるものと認められないものがあります。

《認められるもの》 《認められないもの》
同居協力扶助義務 姻族関係の発生
夫婦間の契約取消権 夫婦同氏原則
婚姻費用分担義務 夫婦同氏原則
夫婦間の契約取消権 成年擬制
日常家事債務の連帯責任 嫡出子の推定
夫婦財産の帰属 配偶者相続権
財産分与(死亡による解消の場合には適用なし) 遺留分権
貞操義務

内縁の解消

 内縁は当事者の合意によって解消することが出来、手続等は必要ありません。但し、それが不当破棄の場合には、不法行為・債務不履行責任を追及することも出来ます。
 財産分与規定が準用されるという判例は先に示した通りです。

死亡による解消

 一方が死亡した場合、相続権はありません。加えて、財産分与(の類推適用)も出来なくなりますが、内縁関係でも、遺族年金の受給資格はあります。
 但し、重婚的内縁(内縁者と生活を共にしているものの、相手方に配偶者がいる)場合、遺族年金の受給、は現実的な観点からみて、繋がりが強い方が資格を持ちます(判例)。

 最近は事実婚を「フランス婚」と呼んだり、籍を入れずにパートナーとして生活を送ったりしている人も見受けられるようになりました。
民法上では、そのような人々に対して認められる点とそうではない点が混在していますが、時代の趨勢や当事者の個別案件などに対応した解釈や判例をみると、非常に柔軟性に富んだ法律だと評価できるでしょう。

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