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慰謝料には“相場”がある! あなたの離婚の原因はなんですか?のアイキャッチ

慰謝料には“相場”がある! あなたの離婚の原因はなんですか?

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 「もう、離婚しよう」。そんな決断をしたのは、きっと耐えがたい夫婦生活だったのでしょう。夫婦間の亀裂が離婚にまで発展したのには、相手のあらゆる言動が原因となっているはずです。
 今回は、そんな離婚の原因ひとつひとつに対して、請求できる慰謝料の相場をご紹介します。「相場を知らなくて○万円しか貰えなかった」、と泣き寝入りすることのないよう、たとえ現在順調な夫婦生活を送っていらっしゃる方にも、知っておいていただきたい情報です。

慰謝料とは?

 「慰謝料」は小学生でも知っている言葉ですが(「慰謝料請求してやるー!」等と、子どもたちが言い合っているシーンを見かけます)、その法的性質、つまりどのような法律で、何が決められているかを知っている方は少ないのではないでしょうか。
 「慰謝料の相場」をみる前に、まずは「慰謝料」とはどのようなものなのかについてみていきたいと思います。

民法709条【不法行為による損害賠償】

 まず、民法の709条をみると、「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を損害したものは、これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」と定められています。言葉は若干難しいですが、端的に言うと、「損害を発生させてしまったら、賠償をしなければならない」ということです。

民法710条【財産以外の損害の賠償】

 対して710条では、「他人の身体、自由若しくは名誉を侵害した場合又は他人の財産権を侵害した場合のいずれかであるかを問わず、前条の規定により損害倍書の責任を負う者は、財産以外の存在に対しても、その賠償をしなければならない」と決められています。
 こちらも難読のようにみえますが、まとめると「賠償しなければならない損害は、財産だけではないですよ」と読み取れます。

民法709条と710条

 これらを併せてみると…「損害を発生させてしまったら、賠償をしなければならないのは財産だけではありません」となります。その「財産だけでない損害」という部分が精神的損害を指し、「精神的損害」のイコールこそが、『慰謝料』なのです。

離婚の原因とは…?

 さて、裁判所が作成している「司法統計2013」の中に、「性別離婚申し立ての動機別割合の推移(1975-2013)」というデータがあります。夫婦別の離婚原因を見てみると、

“夫”からの離婚動機の申し立て 順位 “妻”からの離婚動機の申し立て
性格が合わない 第1位 性格が合わない
精神的に虐待する 第2位 生活費を渡さない
異性関係 第3位 精神的に虐待する
家族親族と折り合いが悪い 第4位 暴力を振るう
性的不調和 第5位 異性関係

と、男女ともに「性格が合わない」がトップです。
男性の動機の4番目に「家族親族との折り合いが悪い」という項目が入っている点は、嫁姑問題の深淵を物語っているかのように感じられます。

天秤

離婚原因別の慰謝料の相場

 慰謝料の意味と離婚の原因をふまえたうえで、本題である原因別の慰謝料相場を記します。なお、離婚は、個別の事情が細分化され、状況も人それぞれですので、慰謝料の相場額の変動が幅広くなるのが特徴です。
 それでは、離婚原因(男女不問)のトップ3、「性格が合わない」「精神的虐待」「生活費を渡さない」「異性関係」を個別にみていきます。

性格の不一致

 堂々第一位の「性格」ですが、実はこれに関する文言を記した規定はどの法律にもありません。そのため、協議離婚で当事者が合意すれば、慰謝料を請求することは一般的に出来ません。(既に合意しているので。)
但し、離婚に応じてもらうために、『解決金』を提示したり提示されたりすることがあります。
 また、一方からみて相手があまりに自己中心的だったり、価値観が信じられないほどかけ離れていたりして、そのことが理由で婚姻関係が破綻していれば、離婚原因になることもあり得ます。但しその場合でも、高額な慰謝料は期待出来ません。

精神的虐待

 次いで高かったのが「精神的な虐待」。具体的な内容としては、
1.口をきかない・無視をする
2.寝食をともにしない
3.わざとドアの開閉時に大きな音を立てる
4.自分のルールに反すると逆上する
5.子どもに相手の悪口を吹き込み、洗脳する
等、枚挙に暇がありません。
 精神的虐待は、その頻度や残虐性により慰謝料請求可能額が変わりますので、50万円~300万円と言われています。体に傷がつく暴力でなく、ただただ口頭や無言の動作で被害を受けるため、日記やメモで何を言われたか、されたか等を確実を残すことが重要です。

義務違反:悪意の遺棄

 「生活費を渡さない」などは、正当な理由がないのにも関わらず、継続して、夫婦の同居協力扶助義務に違反することを指し、「悪意の遺棄」に相当します。
 悪意の遺棄は民法により定められた条文があるので、比較的スムーズに慰謝料を請求することが出来ます。相場は50万円~300万円。ランキングに入った「生活費を渡さない」という場合には、生活費を負担しない事情等を加味した上で金額が決定します。

「悪意の遺棄」についての詳しい解説はこちら

不貞行為

 異性関係、すなわち不貞行為は、立証出来れば高額の慰謝料請求が可能です。但し、証拠をひとりで集めることはとても難しいので、探偵事務所の門を叩く方も少なくありません。
 不貞行為による離婚の慰謝料は、相場平均が200万円とされています。
 ここで一つ押さえておきたいのが、不貞行為の場合、相手方に慰謝料を請求しなくても、その浮気相手のみに請求することが出来る、ということです。

通帳

財産分与の存在

 財産分与という制度があるお陰で、特に主婦(夫)にとっては、離婚後の生活がある程度保証されます。「慰謝料だけではその後の生活を送ることが出来ない…」と考えられている方も、財産分与があるので安心して離婚手続を進めることが出来ます。

慰謝料と財産分与

 慰謝料と財産分与の関係は、同じに扱うか別々に算出するかが問われるところですが、判例は中間的な立場を示しています。曖昧かのように思われますが、この手法をとることにより、逆に柔軟な対応が出来るようになっています。

財産分与の具体的な扱われ方

決定方法は協議・調停・審判により、支払方法は金銭支払・現物給付・両方が認められています。
金額は原則2分の1(“2分の1ルール”)ですが、医師や弁護士など専門的技術によって収入を得ていたりすると、その限りではありません(専門職を有している相手方が多く支払う傾向があります。)。

終わりに

 「離婚したいけどお金がないから無理」とあきらめないでください。特にその理由が相手の「精神的虐待」「義務違反」「不貞行為」等であれば、慰謝料を請求することも可能ですし、財産分与の取り分もあります。
 婚姻生活に終止符を打つということは、新しい生活の始まりでもあります。そんな時、慰謝料の相場を把握しておくと、今後の見通しの一助になることでしょう。
なお、協議離婚で慰謝料の金額の決着がつかなかった場合には、弁護士に相談するのもよいでしょう。どうかくれぐれも、早く離婚がしたいがために、本来得られる利益(権利)を自ら放棄しないでください。

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