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【弁護士監修】慰謝料の目安を知りたい!『慰謝料計算』の方法と一般例

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弁護士 森 詩絵里 インテグラル法律事務所

更新日:2018年12月29日
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離婚問題に強い弁護士が監修、「精神的苦痛・DV・不倫」様々な理由で自分が慰謝料の請求を行うとして、実際どのくらい慰謝料を請求できるのか、どんな計算をするのか、そう悩んでいる方はいらっしゃいませんか?
※本記事はあくまで一般的な説明と例示をしています。誰にでも必ず適用される数値ではありません。以上ご理解のうえ、ご高覧ください。

離婚の慰謝料の現状

 離婚の慰謝料額は、様々な要素によって決定されます。離婚の原因(不倫やDV等)がどのようなものか。相手方の誠意(調停での態度等)はどうなのか。
 また、慰謝料を請求する側としては、精神的苦痛のひどさ、結婚生活の長さ、年齢や収入、資産、子どもの数……といった,数多くの増額ポイントがあります。
現状は、「不倫」や「DV」等の帰責事由がない離婚の場合には1円もとれない、というケースが非常に多いのです。
 TV等で目にする芸能界の離婚事情としては、「慰謝料○千万円!」とセンセーショナルに報道されますが、それが一般人に通用することはほぼありません。
相手方から慰謝料が提示された際に、「調べた相場額と変わらないな」、と鵜呑みにしてしまい、後々それが低すぎた、と気づくこともあります。
 だからこそ、慰謝料の「相場」ではなく「(個々による)計算」が重要になってくるのです。

慰謝料の計算式

 離婚慰謝料は、以下の2つに大別されます。
・離婚原因慰謝料:相手方の行為により、精神的・肉体的な苦痛を与えられたことに対する慰謝料
・離婚自体慰謝料:離婚により、今後の生活に経済面等から悪影響を与えられることに対する慰謝料
 実務上は両者を明確に区別しないことも多いですが、離婚慰謝料とは離婚原因慰謝料+離婚自体慰謝料で構成されている、という点を押さえておきましょう。

離婚慰謝料離婚原因慰謝料離婚自体慰謝料

慰謝料請求の相場

(主な)離婚原因 相場 一般人の最高レベル額
・不貞行為 200~300万円 500万円
・DV 50~300万円 500万円
・悪意の遺棄 50~300万円 300万円
・精神的虐待 50~300万円 300万円
・セックスレス 100万円 300万円

なお、離婚慰謝料における高額請求の詳しい記事、データをお知りになりたい方は、こちら(離婚時に高額な慰謝料請求を実現させるには)をご覧ください。

離婚自体慰謝料の計算式

 万事に当てはまるものではありませんが、参考として、離婚自体慰謝料の計算式を紹介します。離婚自体慰謝料は、離婚に至ったことに対する慰謝料です。こちらの式で計算して、離婚原因慰謝料と足してみましょう。あくまで目安ですが、それが、慰謝料の全額になります。

(基本慰謝料120万円+相手の年収の3%×実質的婚姻年数※最長で20年)×有責度×調整係数

「有責度」とは?

有責度とは、相手方の有責行為により導き出されます。家事事件における有責行為とは、離婚の原因となった配偶者の行為のことを言います。不貞行為、精神的虐待、悪意の遺棄等がこれに該当します。では、その数値を見てみます。

有責行為 有責度
不貞行為 1.0
悪意の遺棄 0.8
3年以上の生死不明 0.7
回復の見込みのない強度の精神病 0.7
その他婚姻を継続しがたい重大事由(DV等) 0.7
自身も有責行為をしていて非がある場合 0

「調整係数」とは?

 調整係数とは、離婚後の生活がどれほど困難であるかの度合いを表したものです。

離婚後の収入 調整係数
職があり、パートナーと同程度の収入を得ている 0.7
職はあるが、パートナーの収入よりも額が劣る 0.9
職はないが、これから職に就くアテがある 1.1
職はなく、これまで職業経験がない 1.3

慰謝料額を左右する要素

 慰謝料の計算が出来たところで、もう一歩奥へ進んでみましょう。というのも、慰謝料を計算する際に、重視される事情があるのです。

慰謝料額が勘案される法的事由

婚姻期間 長いほど被害額は大きいとされるため、増額
年齢 50歳が20歳と不貞行為に結んだ場合、年上に帰責事由
不倫前の婚姻状況 夫婦の仲が悪いと、不貞行為の責任は軽くなる
不倫期間 長いほど被害状況は酷いと推定
積極性 積極的に不貞行為をしようと臨んだ責任
修復可能性 夫婦関係が修復可能かどうかも慰謝料の判断
子どもへの影響 子どもが幼いほど、不安定になりやすいため、被害は大きい
離婚後の経済状況 母親が親権をとった場合の、母子のその後の生活の担保
関係の継続 不倫相手と「別れる」と言いながら関係を続けている
夫婦の別居 長いほど不貞行為者の責任は軽くなる
年収や資産の状況 年収が高いほど慰謝料は増額される
略奪婚が目的 不倫相手が妊娠し、夫婦関係を破綻させようとすれば慰謝料は増額
暴力・虐待 身体的なDVだけでなく、モラハラでもあれば慰謝料は増額

慰謝料の計算例

 図ばかりで読みづらい文章だったかと思いますが、ここで、実際に慰謝料を導出してみたいと思います。

慰謝料計算

■専業主婦・Aさん
  ・婚姻期間:30年
  ・離婚原因:その他婚姻を継続しがたい重大事由(DV等)
  ・夫の年収:600万円
離婚原因慰謝料の算出…今回は基本慰謝料を基準値の120万円とします。
離婚自体慰謝料の算出…ここからが計算ですが、初めに有責度と調整係数を確認しておきます。
*有責度:0.7…夫に非がある
 *調整係数:0.9…Aさんは仕事をしながら共働きである

このデータを基に実際に計算します。
(基本慰謝料120万円+相手の年収の3%×実質的婚姻年数※最長で20年)×有責度×調整係数

【120万円+(600万円×0.03)×20】×0.7×0.9=302万円 ※端数は切り捨てとしました。
と、302万円がAさんの離婚自体慰謝料となります。これに離婚原因慰謝料の240万円を足すと、
【120万円+302万円】=422万円
となります。(あくまで参考ですのでご注意ください。)

更なる慰謝料増額のためにすべきこと

 プラスにもマイナスにもなる法的事由ですが、普段の生活から慰謝料を増額させることも出来ます。

○第三者の証言を集める

裁判では当事者よりも、当事者と親しい家族や友人の証言が重要視される場面が多々あります。
 夫婦との関係やどのような事実を知っているか等、陳述書を用意して状況説明をすることにより、こちらが優位にすることが可能です

○法的手段もいとわないことを伝えておく

 有責配偶者(責任がある妻または夫)に対しては、「話し合いで解決出来ないのであれば、法的な手段に出る意思がある」と明言しましょう。
そのような手続を回避したい相手方は、話し合いと交渉に応じてくれる可能性が高くなります。

○時系列と共に離婚までの過程を記録する

 離婚を考えるようになったのには、理由があるはずです。しかしそれは第三者には非常に伝えにくいことばかりです。
 そこで、メモや日記等に、時系列が分かるように記録しておきましょう。

終わりに

 結果が完全に一致する、ということは稀だと思われますが、慰謝料の算出法についてご紹介させていただきました。
 確かに万事が当てはまる方式であるとは言えませんが、目安としてお考えください。慰謝料請求は複雑なうえ、個々のケースにより全く異なることも往々にしてあります。
ですので、本記事の計算で請求額に当たりをつけたところで、具体的な請求等について弁護士に依頼するのが、もっとも安全・安心な方法だと言えます。

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森 詩絵里 (弁護士)インテグラル法律事務所

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