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離婚時の「口約束」は立派な『契約』!書面でさらに堅実さUP◎のアイキャッチ

離婚時の「口約束」は立派な『契約』!書面でさらに堅実さUP◎

離婚時の「口約束」は立派な『契約』!書面でさらに堅実さUP◎のアイキャッチ

 お互いが納得して、信頼して、離婚(協議離婚)したはずなのに、話し合いで決めた約束が守られない……そんな声をよく聞きます。金銭面においては、財産分与・養育費・年金分割、子どもがいれば親権・監護権・面接交渉など、様々な取り決めをしたのに……と。
 では、口頭で決めた“約束”は、法律上どう扱われるのでしょうか。それを明示したうえで、出来る限りの手段もご紹介したいと思います。

協議離婚とは

 まず初めに、協議離婚とは、(家庭裁判所等の第三者機関を抜きになされる、)いわゆる「普通の離婚」で、日本の離婚の90%を占めます。協議離婚のよい点は、プライベートが守られる、合意さえあればあらゆる取り決めも出来る、お金(弁護士費用等)がかからない、といった点が挙げられます。

“約束”と“契約”とは

 ところで、普段私たちがする“約束”と、民法における“契約”の違いはご存知でしょうか。「約束はどうしてもなら無理なら破ってよく、契約は絶対に遂行しなければならないもの?」とよく言われるのですが、実は両者は、法律上同じ効果を持ち、それらに違反すると、法的なペナルティを課され得るのです。

日常生活の中の契約

 契約とは、通常二人以上の当事者の関与によって、彼らが相互に拘束されるという効果を発生させる法律行為を言います。この定義は難しいですが、実は私たちは、日常生活の中で、驚くほどたくさんの契約行為をしています。
1.スーパーやコンビニで買い物をする
2.電車やバス等の切符を買う
3.美容院で施術(カット、カラー等)を受ける
4.スマートフォンでメール出来るようにする
5.病院で診察を受ける
そう、これらすべての行為が、契約にあたるのです。そう考えると、例えば5歳の子どもが駄菓子を買うことさえ契約行為になりますので、いかに契約の幅が広いかがよく分かります。

幼い女の子

契約の種類

 契約には、いくつかの種類があります。内容により法的効果が変わりますので、簡単にみていきたいと思います。

双務契約と片務契約

 ○双務契約:お互いに債務を負う
 ○片務契約:どちらか一方が相手方に債務を負う

有償契約と無償契約

 ○有償契約:お互いに経済的な対価を支払い合う
 ○無償契約:一方当事者が経済的な支出を負う

典型契約と非典型契約

 ○典型契約:法律に規定されている契約:Ex.贈与、売買、交換、賃貸借、雇用…
 ○非典型契約:それ以外

諾成契約と要物契約

 ○諾成(だくせい)契約:当事者の意思表示が合致するだけで成立
 ○要物契約:合致+目的物の引き渡しが必要

要式契約と不要式契約

 ○不要式契約:意思表示だけで足りる
 ○要式契約:書面等を必要とする:Ex,婚姻、協議離婚、養子縁組…

「離婚時に口頭で決めた約束は法律上守られるのか」

 以上、契約についてお話したところで、本題である「離婚時に口頭で決めた約束は法律上守られるのか」について言及していきます。

口頭で決めた約束

 早速ですが、協議離婚時自体は、「要式契約と不要式契約」における、要式契約に当てはまります。離婚には離婚届が必要ですので、当然にお分かりいただけます。
 一方、「離婚時に口頭で決めた約束」については、目的物等はないため、諾成契約に相当します。しかし口約束では、細かい点が決められてなかったり、お互いが勘違いをしていたり、見解のズレが生じることがままあります。

書面にすることの意義

 口約束は、軽視され、守られないことがよくあります。「そんなことは言ってない」「記憶にない」「分からない」から始まり、結局「証拠はあるのか」、と開き直られてしまいます。
 そのような事態を避けるためには、離婚の話し合いの際、諾成契約であっても、書面に残すことが非常に重要です。
 ですが、書面に残すと一言で言っても、いったいどのような書類を作成すればよいのでしょうか。以下、「離婚協議書」と「公正証書」をご説明いたします。

浮気現場を目撃

「離婚協議書」

 離婚協議書とは、離婚の協議・契約の内容を、お互いが守り、守らせることが出来る書面です。これにより、相手方の義務が果たされなかった場合、裁判の証拠にもなり得ます。

「離婚協議書」のメリット・デメリット

 離婚協議書のメリットは、
・費用が安い
・手間・時間がかからない
・契約内容が明快
という点です。対してデメリットは、
・不備があると全体が無効になる可能性がある
・紛失のおそれがある
・(文字が読めないほど)汚損する可能性がある
です。

気をつけるべき点とは

 ここで注意していただきたいのが、内容に不備があると一部または全部が無効になるおそれがあるということです。もし相手から一方的に離婚協議書を押し付けられたら、一度専門家にチェックしてもらうのが賢明です。
 また、作成自体も専門家に依頼するのが得策です。内容の不備がなくなることもさながら、相手の偽造や改ざんの可能性もなくなるため、安心して別れられるでしょう。

「公正証書」

 公正証書とは、公証人が公証人法・民法等の法律に従って作成する書面です。離婚協議書はあくまで私文書なのに対し、公正証書は公文書なので、離婚協議書とは桁外れの効力を持ちます。

「公正証書」のメリット・デメリット

 公正証書のメリットは、
・金銭の支払いが滞った場合、裁判を経ずに強制執行できる
・専門家に頼むので、不備がない
・裁判で否定される可能性が低くなる
という点です。対してデメリットは、
・費用がかかる(公証人手数料)
・報酬がかかる(専門家に依頼した場合)
・離婚協議書に比べると作成に時間がかかる
です。

気をつけるべき点とは

 「専門家に依頼した場合」というのは、公正証書は自ら作成することが可能ですが、弁護士・行政書士に依頼するのが安心です。
 特に、財産分与や養育費、慰謝料など金銭面の取り決めがある場合は、やはり離婚協議書よりも公正証書を作成する方が無難でしょう。
 

公正証書が優れているポイント

公正証書は、その証明力と証拠力が高く、金銭の支払いが滞った場合に即、強制執行が出来るのが最大の利点です。強制執行となると、相手の財産(預金・給料等)を差し押さえ出来ます。
 そのような効果をもつため、債務者の中には公正証書作成に難色を示す方もいるでしょう。ですが、そのような時こそ、弁護士、あるいは行政書士を頼ると、作成だけでなく相手方の説得もしてくれるので、心身とも負担は少なくなるといえます。

<終わりに>
 離婚の際はよく相談し、どんなに信頼があったとしても、離婚協議書もしくは公正証書を作成することを強くおすすめします。特に金銭面においては、離婚後生活をしていくうえで非常に重要なファクターとなるでしょう。
 離婚の時は「早く別れたい」という感情が先走ってしまいますが、これから先のことをよく考え、譲歩しすぎないようにしていただければと思います。

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編集部

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