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好きな人と一緒になるため離婚したい!そのために考えておくべきことは?

更新日:2019年05月14日
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パートナーよりも好きな人ができてしまった。
 一刻も早くパートナーと別れてその人と一緒になりたい。

 これが恋愛であれば簡単に別れて次の人に、となるかもしれませんが、結婚している場合はそう簡単にはいきません。
 パートナーと離婚して好きな人とまた一緒になるには、どのような試練が待ち構えているのでしょうか?

離婚をするデメリット

 離婚に関する主なデメリットは、子供やお金に関わることです。
 一つ一つじっくり考えてみましょう。

 ●子供が辛い思いをするかもしれない
  まずは子供のことです。
  離婚をすることによって、子供が辛い思いをしてしまう可能性があります。
  例えば親権を持たない側の親と会えなくなってしまった、参観日にいつも片親しか来ない、離婚に伴って転居をしたことによって学校も変わり友達がいなくなってしまった、といったことが挙げられます。

 ●子供への影響
  離婚をすることによって子供の精神面に影響を与えることがあります。
  影響は次のようなものがあります。
   ・見捨てられ不安(身近な人に捨てられるのではないかという不安)
   ・自己肯定感の低下
   ・精神的トラブル
   ・他人に対する不信感
   ・成績低下(離婚による落ち込みで注意力や集中力が低下する)
   ・非行に走る(離婚によるストレスから、暴力、万引き、夜遊び、援助交際など)
   ・引きこもり
   ・身体反応(夜泣き、おねしょ、発熱など)

 ●親権者について
  親権者になるのは母親であることがほとんどです。
  それは育児には母親の力が必要だという考えがあるからです。
  父親が親権をとるには、母親が育児放棄をしていた・虐待していたなどの理由や、子供が15歳以上で自分の意志によって父親を選んだ場合などとなっていますので、簡単ではありません。

 ●生活水準の低下
  パートナーの年収が多かった場合は生活水準がかなり下がる可能性が高いです。
  そのため衣食住のお金を削減していかなければなりません。
  例えば服が好きな人は服を買えなくなるようになるかもしれません。

 ●養育費や慰謝料の支払い
  好きな人ができたからという理由で離婚する場合は高額の慰謝料を請求される可能性があります。また、子供がいる場合には親権者側に養育費の支払いもしなければなりません。養育費と慰謝料については詳しく後述しますが、こちらの支払いをすることも考えておかなければなりません。

 ●1人で育児をしながら生活をする大変さ
  離婚してすぐに新しい相手と再婚する場合は経済的にも精神的にも辛さは少ないかもしれませんが、好きな人といたいという理由だけで離婚をして、1人で家事育児をしながら仕事をするのはかなり大変なことです。
  日々の生活はもちろんですが、後々の子供の学費の積み立てなどもしておかなければなりません。

他にも、好きな人ができただけで離婚をした場合は世間や身内からも白い目で見られたり、再婚したからと言って一度好きな人ができたからといって離婚した人が新しい家庭を持ってまた好きな人ができないとも限りません。
既に夫婦関係が破たんしている場合などは新しく恋愛を始めることはおかしなことではありませんが、そうでない場合は簡単には物事は進まない可能性が高いと考えられます。

離婚をする前にチェックすべきポイント

 好きな人と一緒になりたい勢いで離婚をして、離婚自体に後悔をしていなくても「これはやっておくべきだった」と後悔することがあります。
 離婚する前にチェックしておくべきポイントを抑えておきましょう。

 ●住居のこと
  今住んでいる家が持ち家だった場合、その家はこれから誰が住むのか、ローンはどうするのかなどを考えなければなりませんし、家を出る場合はどこに住むのかを考えなければなりません。

 ●仕事のこと
  これから生活を送っていけるだけの給料を得られる仕事を探さなければなりません。
  これまで専業主婦(夫)だった人が今までと同じ生活をする程度の給料をもらえる会社を見つけるのは大変難しいことだと考えられます。

 ●子供のこと
  どちらが子供を引き取ったほうが子供にとって良い生活が送れるかを考える必要があります。感情的に「自分が引き取る!」と親権を取ったにも関わらず、子供に愛情をかけてあげられない、お金が無くて十分な生活をさせてあげられないというようでは子供が可哀想です。
  まずは第三者目線で子供のことを考えてみることが大切です。

  また、離婚後も子供に会うことを考えているなら、面会権についてきちんと書面に残しておきましょう。「会わせるなんて言っていない」と子供に会わせてもらえなくなることを避けるためです。

 ●財産のこと
  同居しているうちに共有財産がいくらあるのかを把握しておきましょう。別居してからでは確認をすることが難しくなります。
  また、相手方の収入がいくらあるのかも把握しておく必要があります。
  養育費がいくらになるのかは、収入によります。そのためいくら養育費をもらうことができるのかの算定には欠かせない要素になるからです。

 ●その他
  ・離婚後の姓について…旧姓に戻す場合は色々と詮索されて傷つくのを防ぐ意味でも、例えば再就職先ではあらかじめ名札だけ旧姓にしてもらうなど。

・クレジットカードの作成…収入が無い場合クレジットカードを作成するのは困難です。離婚する前に作っておいた方が良いでしょう。

・配偶者の知人の連絡先…離婚後連絡が取れなくなるのを防ぐために、友人の連絡先や会社の配属先などを把握しておきましょう。

・生命保険の受取人…結婚後に加入した保険は共有財産になります。受取人を勝手に他の人に変えられないよう、自分の子供などに変えてもらうようにしておきましょう。

  ・証拠品…好きな人ができて離婚するとなったとしても、そうなるまでに相手方に不貞行為(不倫や浮気)、DVなどがあった場合は慰謝料の請求ができます。離婚前から証拠品を集めておくことが大切です。

  ・別れたい気持ちは変わらないか…離婚を切り出した後で「やはり子供のことを考えて離婚はやめよう…」と思って相手方がそれを了承したとしても、今まで通りの関係でいられるとは限りません。絶対に離婚したいという強い気持ちがあるかどうかを一度良く考えてみましょう。

離婚に関するお金のこと

 離婚をする際には様々なお金の問題が発生します。
 主には慰謝料、財産分与、子供がいる場合は養育費です。
 この3つについてみていきましょう。

 ●慰謝料
  慰謝料は離婚をする際に絶対に支払わなければならないものではありません。
  そもそも慰謝料とは、相手方の不法行為によって受けた精神的苦痛に対する補てんのために支払われるお金のことです。
  離婚をする際に慰謝料を請求できるパターンとしては、相手方の不貞行為(不倫や浮気)、DVがあった場合などで、相手方がそれを認めている場合や証拠品がある場合になります。
  好きな人ができて離婚をする場合は、この慰謝料を請求される可能性があります。
  慰謝料は不倫の相手方にも請求することができますので、好きな人にも慰謝料を請求される可能性もあります。

 ●財産分与
  財産分与とは夫婦が共同して築き上げた財産を、離婚をする際に分配する制度のことです。通常は1/2で分配されます。
  プラスの財産もマイナスの財産も分配されることになりますので、例えば住宅ローンなども財産分与の対象となります。

 ●養育費
  養育費は子供を育てるために必要なお金のことで、衣食住・教育費・医療費などを支払うことになります。養育費は子供を引き取らなかった親から子供に支払うことになります。親権は関係ありません。

夫婦だけの話し合いは大変!弁護士に相談を

 このように、離婚には色々な問題が複雑に絡んできます。
 それでも離婚する意思が揺るがないようでしたら、一度弁護士に相談してみてはいかがでしょうか?
 離婚問題を夫婦で話し合う場合は気持ちの問題も絡んできますのでなかなかうまく進まないケースが多く、むしろこじれてしまう可能性すらあります。
 第三者を挟むという意味でも、また、離婚後にトラブルを抱えないようにするためにも弁護士に相談・依頼することをおすすめします。

まとめ

 好きな人と一緒になるために離婚をする場合は、デメリットが多いです。
 子供のこと、お金のことをよく考えて、離婚後も生活ができるのか、子供はどうしたら幸せになるのかなど、様々なことを考慮したうえで離婚を決断する必要があります。
 スムーズに話し合いを進めたい場合は弁護士に相談しましょう。

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離婚慰謝料弁護士ガイド 編集者

離婚問題に関する記事を専門家と連携しながら執筆中 離婚問題でお悩みの方は是非参考にしてみてください。 また、お一人で悩まれているなら一度弁護士へのご相談を強くおすすめ致します。 今後も離婚問題に関する情報を多数発信して参ります。

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